事前に知っておきたいホームページ制作の流れ
企画から公開までの工程と、発注側がやるべきこと・かかる期間の目安です。
ホームページ制作は、依頼して待っていれば出来上がるものではありません。 工程の半分近くは発注側の作業と判断で進みます。 流れを知っておくと、どこで自社が動く必要があるかが分かり、遅延を防げます。
全体の流れと期間の目安
| 工程 | 期間(10ページ規模) | 発注側の作業 |
|---|---|---|
| 1. 相談・見積もり | 2〜4週間 | 要望の整理、相見積もり、発注先の決定 |
| 2. 企画・設計 | 2〜4週間 | 掲載内容の決定、構成案の確認 |
| 3. 原稿・素材の準備 | 2〜6週間(並行) | 最も遅れる工程 |
| 4. デザイン | 3〜4週間 | トップ・下層の確認とフィードバック |
| 5. 実装・CMS構築 | 3〜4週間 | — |
| 6. 確認・修正 | 1〜2週間 | 全ページの内容確認、リンク・フォームの動作確認 |
| 7. 公開 | 1〜3日 | 公開日の決定、社内・取引先への周知 |
| 8. 公開後 | 継続 | 効果の確認、更新、改善 |
※ 合計 2〜3か月。工程は一部並行します。
各工程で何が起きるか
1. 相談・見積もり
複数社に相談し、提案と見積もりを受けて発注先を決めます。 この段階の準備が全体を左右するので、発注前の準備9ポイントを先に確認してください。 発注が決まったら契約を交わします(業務委託契約のチェックポイント)。
2. 企画・設計
キックオフの打ち合わせを行い、目的・ターゲット・掲載内容をすり合わせます。 成果物はサイトマップ(ページ一覧)とワイヤーフレーム(各ページの要素配置図)です。
ワイヤーフレームは色も写真も無い線画なので軽く流されがちですが、 ここが最後の「大きく変更できるタイミング」です。 ページの並び、各ページに載せる情報、問い合わせへの導線を、この段階で社内の関係者に見せて合意を取ってください。
3. 原稿・素材の準備
発注側の作業です。デザインと並行して進めますが、実際にはここで止まる案件が非常に多いところです。
- 各ページの原稿(箇条書きでもよいので早く出す)
- 写真(横幅2,000ピクセル以上を目安に)
- ロゴデータ(Illustrator 形式など)
- 会社概要の正確な情報(資本金、沿革、許認可番号など)
撮影を依頼する場合は、この時期に日程を押さえます。 費用は関連業務の相場を参照してください。
4. デザイン
まずトップページのデザイン案が上がります。方向性を決める重要な確認です。 決裁者にはこの段階で必ず見てもらってください。 トップが承認されてから下層ページに進みます。
「なんとなく違う」ではなく、理由を添えます。 「文字が小さくて読みにくい」「製品の写真が小さく、技術力が伝わらない」のように、 目的に照らして指摘すると、修正が1回で済みます。 社内の意見はまとめて一度に渡してください。小出しにすると修正回数を消費します。
5. 実装・CMS構築
デザインを HTML/CSS に起こし、CMS に組み込みます。 発注側の作業はほとんどありませんが、この間に公開後の運用(誰が更新するか)を決めておくとスムーズです。
6. 確認・修正
テスト環境で全ページを確認します。次のチェックリストを使ってください。
- 会社名・住所・電話番号・資本金などの表記が正しいか
- 誤字脱字(社内の複数人で分担して確認する)
- すべてのリンクが正しく動くか
- 問い合わせフォームから実際に送信し、メールが届くか
- スマートフォンでの表示(実機で確認する)
- プライバシーポリシー、著作権表記の年号
7. 公開
サーバーに反映して公開します。リニューアルの場合は、旧 URL から新 URL への転送設定(301リダイレクト)が 正しく効いているかを公開直後に必ず確認してください。ここを誤ると検索流入を失います。
公開日は週の半ば(火〜木)の午前中がおすすめです。 金曜夕方に公開すると、問題が起きたときに対応できないまま週末に入ります。
8. 公開後
- 1週間後:アクセス状況とエラーの確認、フォームの動作再確認
- 1か月後:どのページが見られているか、問い合わせが来ているかを確認
- 3か月後:数字をもとに改善点を洗い出す
保守の考え方は管理費・運用費の相場にまとめています。
実際に納期が延びる原因は、(1)原稿と写真が揃わない、 (2)社内確認の返答が遅いのほぼ2つです。 制作会社の作業が遅れるケースより圧倒的に多いのが実情です。 確認依頼には何営業日以内に返すか、社内でルールを決めておくと事故が減ります。
よくある質問
ホームページ制作にはどれくらいの期間がかかりますか?
10ページ規模で 2〜3か月、30ページ規模で 4〜6か月が標準です。ECサイトや会員機能を伴う場合は 6か月以上かかることもあります。素材がすべて揃っていれば短縮できますが、逆に素材待ちで倍かかるケースが最も多いです。
発注側は何をすればよいのですか?
主に4つです。(1)掲載内容の決定と原稿の確認、(2)写真など素材の提供、(3)デザインと実装の確認・フィードバック、(4)社内調整と承認。特に確認の返答が遅れると、そのままスケジュールが後ろにずれます。
公開日を早める方法はありますか?
最も効くのは公開範囲を絞ることです。第1弾で必要最小限のページを公開し、残りを追加リリースにすれば、期日に間に合わせられます。次に効くのは、原稿と写真を先行して用意しておくことです。
途中で内容を変更できますか?
工程によります。設計段階なら大きな変更も吸収できますが、デザイン確定後の構成変更、実装後のデザイン変更は追加費用と納期延長になります。「いつまでなら変更できるか」を工程ごとに確認しておいてください。
まとめ
- 10ページ規模で 2〜3か月。相談から数えるとさらに1か月前倒しで動く必要がある。
- 大きな変更ができる最後のタイミングはワイヤーフレームの確認。
- 決裁者にはトップページのデザイン段階で必ず見てもらう。
- 遅延の原因は素材待ちと社内確認。ここを管理すれば期日は守れる。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。