追加費用が発生する場面|見積もり前に潰しておく
「含まれるもの」ではなく「含まれないものは何ですか」と聞いてください。
「見積もりは150万円だったのに、最終的に200万円になった」 という話は珍しくありません。
原因の多くは、見積もり時点で決まっていなかったことです。 どこで追加が発生しやすいかを知っておけば、 発注前に潰しておけます。
追加が発生しやすい場面
| 場面 | 追加額の目安 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| ページを追加した | 1ページ3万〜20万円 | ページ数を確定させる |
| 原稿を書いてもらった | 1ページ2万〜6万円 | 誰が書くか明記する |
| 写真を撮ることになった | 5万〜20万円 | 素材の有無を先に確認する |
| 修正回数を超えた | 1回2万〜10万円 | 回数と線引きを確認する |
| デザインをやり直した | 10万〜50万円 | 確定のタイミングを明示する |
| 更新可能な箇所を増やした | 3万〜15万円 | 更新範囲を先に決める |
| フォームの項目を増やした | 2万〜10万円 | 項目を先に確定する |
| 公開日が延びた | — | 再稼働の費用が出ることがある |
| 旧サイトの転送設定 | 5万〜30万円 | リニューアルなら必ず範囲を確認 |
「デザインのやり直し」が金額として最も大きくなります。 実装が始まった後で構成を変えると、 デザインだけでなく実装もやり直しになります。 これは進行の順序で防げます。
実は最も多い「原稿」
見積もりを比べるときに最も差が出て、 かつ後から追加になりやすいのが原稿です。
| 見積もりの前提 | 実際に起きること |
|---|---|
| 原稿は発注者が用意 | 書けずに数か月止まり、結局依頼して追加費用 |
| 原稿は制作会社が作成 | 初めから金額に含まれている |
| 記載なし | 着手後に発覚してもめる |
「自社で書きます」と言った時点では、本気で書くつもりでいます。 ところが本業の合間では進まず、 数か月経ってから依頼することになります。 この時点で工程は遅れ、費用も増えます。
現実的な対策は、 見積もり段階で「原稿を依頼した場合の金額」も併記してもらうことです。 途中で判断を変えても、金額の見通しが立ちます。
リニューアルで見落とされる項目
- 旧サイトからの転送設定(URLが変わる場合、対応表の作成に工数がかかる)
- 既存コンテンツの移行(過去のブログ記事を移すかどうか)
- サーバー移転(同時に移す場合の作業費)
- 旧サイトの調査(仕様が不明な場合の解析)
- 既存システムとの連携(予約・在庫・会員など)
「過去記事の移行」は数が多いと大きな作業になります。 200本の記事を手作業で移すのと、 自動で移行する仕組みを作るのとでは、費用も期間も変わります。 移すのか、移さないのか、何本移すのかを先に決めてください。
契約に入れておく一文
追加費用そのものを無くすことはできませんが、 知らないうちに増えることは防げます。
契約書または発注時の書面に、次の趣旨の一文を入れてください。
- 当初の範囲を超える作業が生じる場合、 事前に書面で見積もりを提示し、発注者の承認を得たうえで着手する
これがあれば、 作業が終わってから請求される事態を防げます。 多くの制作会社は当然のこととして運用していますが、 明記しておくと双方にとって判断が楽になります。
発注前に確認する質問
- この見積もりに含まれないものは何ですか
- ページを1つ追加する場合の単価はいくらですか
- 修正は何回まで無償ですか。回数を超えた場合はいくらですか
- 原稿を依頼した場合、いくら追加になりますか
- 公開日が延びた場合、費用は発生しますか
1つめが最も効きます。 「含まれるもの」を聞くと網羅的な答えが返ってきますが、 「含まれないもの」を聞くと、追加になる場面が具体的に出てきます。 ここで明確に答えられる会社は、社内で積算しています。
追加を受け入れるかの判断
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 当初の範囲に無く、発注側の要望で増えた | 妥当な追加 |
| 見積もりに書かれていたのに実施されていない | 追加ではなく、契約の履行 |
| 制作会社の作業ミスの手直し | 追加にならない |
| 事前の説明なく作業が進んでいた | 交渉の余地がある |
| 公開に必須だが見積もりに無かった | 双方の見落とし。分担を相談する |
最後の場合が最も多く、かつ判断が難しい場面です。 たとえば旧サイトの転送設定は、 発注側は「当然含まれる」と考え、 制作側は「指定が無かった」と考えます。 どちらも悪意はなく、決めていなかっただけなので、 費用の分担を相談するのが現実的な着地になります。
よくある質問
追加費用を請求されるのは制作会社が不誠実だからですか?
多くの場合は違います。見積もり時に決めていなかったことが後で発生し、その作業に工数がかかっているだけです。問題なのは請求そのものより、<strong>発生する前に知らされないこと</strong>です。
追加費用が出ない契約にできますか?
完全には難しいですが、「範囲を明確にする」「追加が発生する前に見積もりを出してもらう」の2つで大半は防げます。契約書に「追加費用が生じる場合は事前に書面で見積もりを提示し、発注者の承認を得たうえで着手する」と入れておくのが有効です。
ページを1つ足すといくらですか?
既存のレイアウトを使い回せるなら3万〜8万円、新しいデザインが必要なら8万〜20万円が目安です。原稿と写真を発注側が用意するかどうかでも変わります。見積もり段階で「ページ追加の単価」を聞いておくと、後から判断しやすくなります。
安い見積もりを選んだら追加が多くなりますか?
その傾向はあります。安い見積もりは範囲が狭く設定されていることが多いためです。ただし範囲が明記されていれば問題ではありません。<strong>「一式」で内訳が無い見積もり</strong>のほうが、後から差が出やすくなります。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。