ホームページ制作のスケジュールと、遅れる原因
遅れるのは制作会社の作業ではなく、発注側の準備と確認です。
ホームページ制作でスケジュールが遅れる原因は、 ほとんどが決まっています。
制作会社の作業が遅いことより、 発注側の準備と確認が止まることのほうが、はるかに大きな遅延要因です。
標準的な期間
| 規模 | ページ数 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 小規模 | 5〜10ページ | 2〜3か月 |
| 標準 | 10〜25ページ | 3〜5か月 |
| 大規模 | 30ページ以上 | 5〜8か月 |
| 多言語・システム連携あり | — | 上記+1〜3か月 |
これは発注後の期間です。 制作会社を探し、相見積もりを取り、社内で決裁するまでに さらに1〜2か月かかることを見込んでください。
工程ごとの期間配分
| 工程 | 期間の目安 | 誰が主体か |
|---|---|---|
| 要件整理・サイト構成の設計 | 2〜4週間 | 制作会社+発注者 |
| デザイン(トップ) | 2〜3週間 | 制作会社 |
| デザイン(下層) | 2〜4週間 | 制作会社 |
| 原稿・写真の準備 | 1〜3か月 | 発注者 |
| 実装 | 3〜6週間 | 制作会社 |
| 確認・修正 | 2〜3週間 | 発注者+制作会社 |
| 公開準備・検証 | 1週間 | 制作会社 |
原稿と写真の準備だけが、期間の幅が最も大きい工程です。 他の工程は作業量から見積もれますが、 ここは社内の都合で動くため、予測が立ちません。 この工程は他と並行して進められるので、 発注と同時に着手してください。
実際に止まる原因
| 原因 | 典型的な遅れ | 対策 |
|---|---|---|
| 原稿が上がってこない | 1〜3か月 | 担当と締切を決める/依頼する |
| デザインの確認が遅い | 2〜4週間 | 確認期限を工程表に入れる |
| 社内で意見がまとまらない | 2〜6週間 | 取りまとめ役と決裁者を先に決める |
| 後から関係者が増える | 2〜8週間 | キックオフで関係者を確定する |
| 写真の被写体が集まらない | 2〜4週間 | 撮影日を早めに確保する |
| 途中で仕様を追加する | 2〜8週間 | 追加分は別フェーズに回す |
「後から関係者が増える」は最も厄介です。 デザインが確定した後に役員が登場し、方向性からやり直しになる。 これは実際によく起きます。 最終的に承認する人が誰かを、キックオフの時点で確定させてください。 可能なら、その人にデザインの初回提案から同席してもらうのが確実です。
確認する側のルールを決める
制作会社から出てきたものを確認する工程は、 やり方を決めておかないと必ず伸びます。
- 確認の期限を工程表に書き込む(「1週間以内に返す」を合意する)
- 取りまとめ役を1人にする(社内の意見を集約してから返す)
- 矛盾する指摘は社内で解決してから渡す(A氏とB氏で逆の指示、が最も混乱する)
- 指摘は理由とセットで書く(「なんとなく違う」では直しようがない)
- 段階を守る(構成の確認中に色の話をしない)
5つめが守れないと、確認が何周も繰り返されます。 構成が固まる前に細かい文言やあしらいを直しても、 構成が変われば全部やり直しになります。
公開日が動かせない場合
周年やイベントに合わせて公開日が決まっている場合、 期間ではなく範囲のほうを調整します。
| 調整の方法 | 効果 |
|---|---|
| 公開時のページ数を絞る | 大。事例やコラムは後から追加できる |
| 原稿を制作会社に依頼する | 大。最大の遅延要因を外せる |
| 撮影を後回しにする | 中。仮の写真で公開し、後で差し替える |
| デザインの案数を減らす | 小。1〜2週間程度 |
「全ページ揃えてから公開」にこだわらないでください。 必須ページだけで公開し、残りを順次追加するほうが、 中身の薄いページを大量に並べて公開するより結果が良くなります。
工程表で確認すべきこと
- 発注者側の作業が明記されているか(原稿提出日、確認期限、撮影日)
- 確認にかかる期間が現実的か(3日で返せる社内体制かどうか)
- 遅れた場合にどうなるか(公開日が後ろにずれるのか、範囲を削るのか)
- 年末年始・連休が考慮されているか
工程表に発注者側の作業が書かれていない場合は、必ず追記してもらってください。 制作会社の作業だけが並んだ工程表は、 「発注者側はいつでも即答できる」という非現実的な前提で作られています。
よくある質問
企業サイトの制作期間はどれくらいですか?
10〜20ページ程度の一般的なコーポレートサイトで3〜5か月が目安です。30ページを超える、多言語対応がある、システム連携があるといった場合は6か月以上を見てください。これは「発注してから公開まで」で、制作会社を選ぶ期間はこれに含まれません。
一番よく遅れるのはどの工程ですか?
原稿と写真の準備です。デザインや実装が遅れることもありますが、数か月単位で止まるのはほぼ発注者側の素材待ちです。これは制作会社側では動かせないため、着手前に担当と締切を決めておくことが最大の対策になります。
公開日を決めてから発注してよいですか?
構いませんが、逆算して十分な期間があるか確認してください。周年やイベントに合わせて公開日を先に決め、発注が2か月前になると、内容が薄いまま公開することになります。公開日が動かせないなら、公開時の範囲を絞るほうが現実的です。
途中で仕様を変えたいときはどうすればいいですか?
デザイン確定前なら影響は比較的小さく済みます。実装が始まった後の変更は、費用も期間も追加になります。「後で変えられる範囲」と「今決めないといけないこと」をキックオフで確認しておいてください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。