Welcart でECサイトを作る|WordPressに販売機能を足す
WordPressを使わないなら選ぶ理由がありません。使うなら強い選択肢です。
Welcart は、WordPress にEC機能を追加するプラグインです。 国産で、日本の商習慣に合わせた作りになっています。
カートASPやEC-CUBEと比べてどこが違い、 どういう場合に選ぶべきかを整理します。
Welcart の位置づけ
| カートASP | Welcart | EC-CUBE | |
|---|---|---|---|
| 形態 | クラウドサービス | WordPressプラグイン | ECパッケージ |
| 月額 | 数千〜数万円+売上手数料 | サーバー代のみ | サーバー代のみ |
| 初期構築 | 安い | 中 | 高い |
| カスタマイズ | 制限あり | PHPで自由 | PHPで自由 |
| コンテンツとの相性 | 弱い | 強い | 中 |
| 向く規模 | 小〜中 | 小〜中 | 中〜大 |
Welcart の特徴は「WordPressのなかで完結する」ことに尽きます。 商品もお知らせもコラムも同じ管理画面で扱え、 デザインもテーマとして一体で作れます。
逆に言えば、WordPressを使わないなら選ぶ理由がありません。 EC単体を立ち上げたいだけなら、カートASPのほうが早く、運用も安定します。
WordPressと同居する利点
- コンテンツから商品へ自然につながる(記事の中に商品を差し込める)
- 管理画面が1つで済む(更新担当が覚えることが少ない)
- デザインを統一できる(サイトとECで見た目が変わらない)
- SEOの資産が1ドメインに集まる(別ドメインのASPだと分散する)
- 売上手数料がかからない(売れても月額が上がらない)
4つめは見落とされがちですが、効きます。 カートASPを別ドメインで立てると、 コラムで集めたアクセスと販売ページが別サイト扱いになります。 コンテンツで集客して売るなら、同じドメイン内にある意味は大きいです。
日本の商習慣に対応している
海外製のカートで手間になりがちな部分が、標準で用意されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送料 | 都道府県ごとの設定ができる |
| 支払方法 | 代金引換・銀行振込・コンビニ払いに対応しやすい |
| のし・ギフト | 注文時のオプションとして扱える |
| 住所入力 | 郵便番号からの補完、姓名の分割 |
| 特定商取引法の表記 | 設定項目として用意されている |
| 会員機能 | 会員価格・購入履歴・お気に入り |
送料の都道府県別設定は、実務で効く部分です。 海外製カートでは地域別送料の設定が難しく、 結局カスタマイズや外部サービスが必要になることがあります。
費用の考え方
「プラグインが無料」なので安く見えますが、 EC構築の費用は別途かかります。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| Welcart本体 | 無料 | プラグインとして導入 |
| 決済モジュール | 有料 | 使う決済代行会社ごとに必要。数万円台のものが多い |
| 有料テーマ | 有料 | 使わずオリジナルで作ることも可能 |
| サイト制作 | 60万〜250万円 | デザイン・商品登録の仕組み・カスタマイズ |
| 商品登録の代行 | 1点数百〜数千円 | 点数が多いと無視できない |
| サーバー | 月2,000〜10,000円 | ECは通常サイトより負荷が高い |
| 保守 | 月10,000〜50,000円 | WordPress本体・プラグインの更新を含む |
| 決済手数料 | 売上の3〜4%程度 | 決済代行会社へ支払う |
※ Welcart の有料モジュール・テーマの金額は改定されます。最新は公式サイトでご確認ください。
カートASPとの分岐点は売上規模です。 ASPは月額に売上手数料が乗るため、 売上が伸びるほど負担が増えます。 Welcart はサーバー代と保守費が固定なので、 一定の売上を超えると総額で逆転します。 逆に売上が小さいうちは、初期費用のぶんASPのほうが安く済みます。
保守が前提になる
Welcart は WordPress のプラグインなので、 WordPress の保守がそのままECの保守になります。
- WordPress本体・Welcart・他プラグインの更新(止めると脆弱性が残る)
- 更新前のバックアップ(受注データが入るため、通常サイトより重要)
- 更新後の動作確認(購入完了まで実際に通す)
- PHPバージョンの追従
ECでは「壊れていることに気づかない」が最も損失になります。 プラグイン更新で購入ボタンが動かなくなっても、 画面上は正常に見えることがあります。 更新後は必ずテスト注文まで通してください。
また、受注データがWordPressのデータベースに入るため、 バックアップの重要度が通常のサイトより高くなります。 復旧できないと注文履歴を失います。
向いている場合・向かない場合
| 向いている | 向かない |
|---|---|
| すでにWordPressサイトがある | WordPressを使う予定がない |
| コラムや実績で集客している | 販売だけできればよい |
| 商品点数が数百点まで | 数千点以上ある |
| 売上手数料を避けたい | 初期費用を最小にしたい |
| デザインをサイトと統一したい | すぐ売り始めたい |
| のし・地域別送料などが要る | 越境ECが主目的 |
| 保守の担当を確保できる | 誰も保守できない |
最後の行が現実的な分かれ目です。 カートASPはサービス提供元が保守してくれますが、 Welcart は自社(または制作会社)で見る必要があります。 保守の受け皿が無いなら、ASPのほうが安全です。
発注前に決めておくこと
- 商品点数と、型番・サイズ違いの数(点数が膨らむ商材か)
- 使う決済方法(決済モジュールの費用が決まる)
- 商品登録を誰がやるか(点数が多いと代行費が大きい)
- 送料のルール(地域別・重量別・無料条件)
- 会員機能・定期購入が要るか(拡張の要否が変わる)
- 保守を誰が担当するか
1つめは見積もりに直結します。 「商品100点」でも、 各商品にサイズ3種×色4種があれば実質1,200件の管理になります。 点数は組み合わせまで含めて数えてください。
よくある質問
Welcart は無料ですか?
本体(Welcart e-Commerce)は無料で使えます。ただしクレジットカード決済を入れるには有料の決済モジュールが必要で、有料テーマや拡張プラグインも別途あります。「プラグインが無料だからEC構築も無料」ではない点に注意してください。金額は改定されるため、最新は公式サイトで確認してください。
ShopifyやBASEと比べてどうですか?
目的が違います。カートASPはEC単体を早く立ち上げるのに向き、Welcart は既存のWordPressサイトに販売機能を足すのに向きます。コンテンツで集客していて、その延長で売りたい場合は Welcart、販売そのものが主目的ならASPのほうが早く安定します。
商品が何点くらいまで使えますか?
明確な上限はありませんが、数百点までなら問題なく、数千点を超えると管理画面の動作やDBの負荷が気になり始めます。型番・サイズ違いが多い商材は点数が膨らみやすいので、発注前に実際の点数で試してもらってください。
手数料はかかりますか?
Welcart自体に売上手数料はありません。かかるのは決済代行会社への手数料と、サーバー費用です。売上が増えても月額が上がらないのは、カートASPに対する明確な利点です。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。