制作会社の得意分野の見極め方|出自でここまで違う
同じ「制作会社」でも、元が紙かシステムかWebかで提案の質が変わります。見分け方をまとめました。
ホームページ制作会社は、どこも同じことができるわけではありません。 元が何の会社だったかで、得意なことと苦手なことがはっきり分かれます。
多くの制作会社は、Web 専業として生まれたわけではありません。 印刷会社・広告代理店・システム開発会社などが、Web にも対応するようになった経緯を持っています。 その出自が、提案の質や実装の得意分野にそのまま出ます。
出自による得意・不得意
| 出自 | 強いこと | 弱いこと |
|---|---|---|
| 紙媒体系 (印刷・編集・広告) |
構成の組み立て、コピー、写真のディレクション、ブランドの世界観 | 動きのある実装、フォームや会員機能、公開後の計測と改善 |
| システム系 (受託開発・SIer) |
データベース連携、予約・会員・決済、外部システムとの接続、セキュリティ | デザインの提案、伝わる文章、見た目の作り込み |
| Web専業 | Webでの見せ方、スマホ対応、公開後の改善、SEO | 紙との連動、大規模なシステム開発 |
| 広告代理店系 | 集客の設計、広告との連動、効果測定 | 作り込んだ実装(多くを外注に出す) |
紙媒体が本業の会社は、提案そのものは非常に上手いことが多いです。 何を伝えるか、どういう順番で見せるかという設計は、紙で長年やってきた蓄積があります。 ただし Web 特有の動き ── スクロールに応じた表示、フォームの挙動、スマホでの操作性 ── になると弱く、「紙をそのまま Web にした」ような作りになりがちです。
逆に システム寄りの会社は、動くものを作るのは確実です。 予約や会員管理のような機能は安心して任せられます。 一方でデザインや文章の提案力は弱く、「言われたとおりに作りました」で終わることが少なくありません。
目的別・どの出自が向くか
| 作りたいもの | 向いている出自 | 理由 |
|---|---|---|
| 会社案内・ブランディング | 紙媒体系 | 世界観の作り込みと構成力が効く |
| 採用サイト | 紙媒体系 / Web専業 | 取材と原稿の質が結果を左右する |
| 予約システム付きサイト | システム系 | 動くものの確実性が要る |
| ECサイト | システム系 / Web専業 | 決済・在庫連携の経験が必要 |
| 問い合わせを増やしたい | Web専業 / 広告代理店系 | 公開後の計測と改善まで見る必要がある |
| 広告と連動させたい | 広告代理店系 | LPと広告運用を一体で設計できる |
出自を見分ける方法
- 沿革を見る:創業年と、最初に何の会社だったか。「昭和◯年 印刷業として創業」なら紙媒体系です
- 実績の並びを見る:Web以外の実績(パンフレット・カタログ・業務システム)が混ざっていないか
- 社員構成を見る:エンジニアが何人いるか、デザイナーが何人いるか
- 提携先・外注先の記載を見る:「システム開発はパートナー企業と」とあれば、その領域は自社ではやっていません
打ち合わせで聞くと分かる質問
| 質問 | 何が分かるか |
|---|---|
| 公開後、どうやって成果を測りますか | 作って終わりか、改善まで見るか |
| この機能は自社で実装しますか | 外注の範囲。誰が作るのか |
| 原稿は誰が書きますか | ライティングを持っているか |
| スマホでの見え方はどう検討しますか | Webの作法を分かっているか |
| 似た規模の実績を見せてもらえますか | 経験の実態。規模が違うと参考になりません |
「公開後どうやって成果を測るか」への答えで、多くが分かります。 アクセス解析や問い合わせ数の話が出てくるか、 それとも「納品して終わり」の前提で話しているかで、その会社の立ち位置が見えます。
弱い部分は補える
得意分野が偏っていること自体は問題ではありません。 足りない部分を、自社か別の会社で補えるかどうかが判断の分かれ目です。
たとえば紙媒体系の会社に頼むなら、公開後の改善は別途 Web 専業に相談する。 システム系に頼むなら、デザインと原稿は自社で用意するか、別のデザイナーに依頼する。 こうした組み合わせのほうが、1社にすべてを求めるより結果が良くなることがあります。
苦手な領域を「できます」と言う会社より、 「そこは得意ではないので、こう補いましょう」と言える会社のほうが信用できます。
よくある質問
制作会社の得意分野はどう調べればいいですか?
会社の沿革と実績の並びを見てください。創業年と最初の事業が何かで出自が分かります。実績にパンフレットや会社案内が混ざっていれば紙媒体系、業務システムや基幹システムがあればシステム系です。
紙媒体が本業の会社に頼むのは避けるべきですか?
避ける必要はありません。ブランディングや会社案内的なサイトでは、紙で培った構成力と表現力が強みになります。一方で予約機能や会員機能など動きのあるものは苦手なことが多いため、作りたいものが何かで判断してください。
1社ですべてできる会社はありますか?
あります。ただし規模が大きくなり費用も上がります。小規模なサイトなら、得意分野が自社の目的と合っている会社を選ぶほうが費用対効果は高くなります。
見た目のきれいな制作会社サイトは信用できますか?
自社サイトがきれいなことと、提案力があることは別です。見るべきは、実績として載っているサイトが「なぜそう作ったか」を説明できているかどうかです。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。