RFPとは?発注で失敗しないための必須ツール
提案依頼書があると何が変わるのか、無い場合に何が起きるのかを説明します。
RFP(提案依頼書)は、発注側が「何をしてほしいか」をまとめて制作会社に渡す文書です。 大企業のシステム開発で使われるイメージがありますが、 100万円規模のホームページ制作でも、簡易版を作るだけで進行が大きく変わります。
RFPが無いと何が起きるか
実際によくある3つの状況です。
1. 見積もりが比較できない
口頭で「会社サイトを作りたい」とだけ伝えると、A社は10ページ80万円、B社は20ページ200万円、 C社は保守込み月額15万円、という提案が並びます。前提が違うので、どれが安いのか判断できません。
2. 後から追加費用が出る
「原稿はそちらでお願いします」「撮影は含まれていません」「フォームは別料金です」。 発注時に範囲が書かれていないと、進行中に次々と追加が発生します。 制作会社が悪いのではなく、決めていなかったことが原因です。
3. 社内で意見がまとまらない
デザインが上がってから「思っていたのと違う」と言われるのは、 発注前に社内で合意していないからです。 RFP を作る過程は、社内の合意形成そのものでもあります。
RFP の価値は、制作会社に渡すこと以上に「自社の要望を言語化する過程」にあります。 目的、予算、優先順位を書き出す段階で、社内の意見の食い違いが表に出ます。 これを発注前に片づけられるのが最大のメリットです。
RFPに書く項目
| 項目 | 書く内容 | 簡易版で必須か |
|---|---|---|
| 会社概要 | 事業内容、規模、対象顧客 | ◯ |
| 背景と課題 | なぜ今作るのか、現状の何が問題か | ◯ |
| 目的とゴール | 公開後に何が起きてほしいか。可能なら数字で | ◯ |
| 対象範囲 | ページ数、必要な機能、対応デバイス | ◯ |
| 予算 | 上限額(幅で可) | ◯ |
| スケジュール | 公開希望日、提案の締切、選定の時期 | ◯ |
| 素材の担当 | 原稿・写真を誰が用意するか | ◯ |
| 体制 | 自社の窓口、決裁者、確認にかかる日数 | △ |
| 現状のデータ | アクセス数、問い合わせ件数 | △ |
| 提案してほしいこと | 構成案、デザインの方向性、体制、見積もり | △ |
| 選定基準 | 何を重視して選ぶか | △ |
| 提出方法と締切 | 宛先、形式、期限 | △ |
各項目の具体的な書き方と例文はRFPの書き方、完全マニュアルで解説しています。
規模別・どこまで作るか
| 案件規模 | RFP の形 | 作成にかかる時間 |
|---|---|---|
| 〜100万円 | A4で1〜2枚。メール本文でも可 | 2〜3時間 |
| 100万〜500万円 | A4で5〜10枚。項目を一通り埋める | 1〜3日 |
| 500万円〜 | 10枚以上。機能一覧、非機能要件、契約条件まで | 1〜3週間 |
RFPを渡したあとの進め方
- 3社程度に同じ RFP を送る(提案の締切は2〜3週間後が目安)
- 質問を受け付ける:質問と回答は全社に共有します。情報格差があると公平な比較になりません
- 提案を受ける:可能ならプレゼンの場を設け、担当者と直接話します
- 比較する:金額だけでなく、課題の理解度、提案の具体性、担当者との相性で判断します
- 結果を全社に連絡する:不採用の会社にも必ず連絡してください。提案には工数がかかっています
- 「おしゃれなデザインで」:判断基準にならず、手戻りの元になります
- 「最新の技術で」:目的が無いまま技術を指定すると費用だけ上がります
- 実現手段の指定:「WordPress で」と決め打ちすると、より適した提案を受けられません(社内方針として必須なら、その理由とともに書く)
- あいまいな分量:「ページ数は応相談」では見積もりが出せません
よくある質問
RFPとは何ですか?
RFP は Request For Proposal の略で、日本語では「提案依頼書」といいます。発注側が「何を実現したいのか」「どんな条件で発注するのか」をまとめ、制作会社に提案と見積もりを依頼するための文書です。
小規模なサイトでもRFPは必要ですか?
10ページ程度・100万円以下なら、A4で1〜2枚の簡易版で十分です。目的・予算・時期・必要なページ・素材の担当が書いてあれば機能します。300万円を超える案件や、社内で稟議を通す必要がある場合は、きちんとした RFP を作る価値があります。
RFPを作るのに時間がかかりませんか?
簡易版なら2〜3時間で書けます。一方、RFP が無いまま3社と打ち合わせをすると、同じ説明を3回することになり、認識のズレも生まれます。結果的に RFP を書いたほうが早く終わります。
RFPを制作会社に手伝ってもらってもよいですか?
相談段階で助言をもらうのは問題ありません。ただし、特定の1社に全面的に書いてもらうと、その会社に有利な条件になりがちです。比較のための文書である以上、骨子は自社で作ってください。
まとめ
- RFP は「何をしてほしいか」を書いた提案依頼書。比較可能な見積もりを得るための道具。
- 最大の効果は社内の意見を発注前にまとめられること。
- 100万円以下ならA4で1〜2枚の簡易版で十分。
- 質問と回答は全社に共有し、公平な条件で提案してもらう。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。