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技術・仕様 / 更新:2026年8月19日

スマホ対応の実務|レスポンシブでも縮めるだけでは成立しない

PCデザインを縮めるだけでは、読めない・押せないページになります。

スマホ対応の実務|レスポンシブでも縮めるだけでは成立しない

BtoBサイトでもスマートフォンからのアクセスは半分前後を占めます。 それでも制作の現場では、PCのデザインだけ作って スマートフォンは「縮めておいてください」で済まされることがあります。

結果として、文字が小さい、表が横にはみ出す、電話番号が押せない、といった 実際に離脱を生む問題が残ります。

レスポンシブとは何を意味するか

レスポンシブは1つのHTMLを、画面幅に応じて並べ替える作り方です。 自動で「いい感じ」になるわけではなく、 どの幅で何をどう並べ替えるかは、人が決めています。

作り方HTML特徴
レスポンシブ1つ現在の標準。保守が1本で済む
URL分離(PC/SP別)2つ更新漏れが起きる。古いサイトに多い
PC版のみ1つスマートフォンで拡大しないと読めない

現在のリニューアルはほぼすべてレスポンシブです。 既存サイトがURL分離方式なら、統合するだけでも保守の手間が半分になります。

スマートフォンで作り直しになる要素

PCのレイアウトをそのまま縮めると成立しない要素があります。 ここはSP用に設計し直す必要があり、その分が費用に乗ります。

要素PCでの形SPでの対応
グローバルナビ横並びハンバーガーメニューに格納
横に広い表そのまま表示横スクロール、またはカード型に組み替え
3〜4カラムの並び横並び1カラムに縦積み(順序の指定が必要)
横長のメインビジュアルそのまま縦長にトリミングした別画像を用意
PDFの資料そのまま閲覧拡大しないと読めない。HTML化を検討
入力フォーム2カラム1カラム。入力キーボードの種類も指定

メインビジュアルのトリミングは軽視されがちです。 横長の写真をそのまま縮めると、 スマートフォンでは被写体が小さすぎて何の写真か分からなくなります。 撮影時からSP用の縦構図を想定しておくと、追加費用が発生しません。

表とグラフの扱い

BtoBサイトでは仕様表・料金表・比較表が要になることが多く、 ここがスマートフォンで読めないと問い合わせに繋がりません。

  • 横スクロールにする:情報を落とさない。ただしスクロールできると気づかせる工夫が必要
  • カード型に組み替える:1行を1ブロックとして縦に並べる。項目数が少ない表に向く
  • 列を減らす:SPでは主要な列だけ出し、詳細は別ページに送る

画像化された表は避けてください。 拡大しないと読めず、検索エンジンにも内容が伝わらず、 修正のたびに画像を作り直すことになります。

タップされる前提で作る

マウスと指では精度が違います。 PCで問題なく押せるものが、スマートフォンでは押せません。

  • タップ領域を十分に取る(およそ44px四方が目安)
  • リンク同士を近づけすぎない(隣を押してしまう)
  • 電話番号は発信できるようにする(テキストのままだと押しても何も起きない)
  • ホバーでしか出ない情報を作らない(指にはホバーが無い)

ホバー前提のメニューは実際に事故を起こします。 PCではマウスを乗せると下層メニューが開く作りにしていると、 スマートフォンでは下層ページに到達できません。

実機で確認すべきこと

ブラウザの開発者ツールによる表示確認では、次の点が再現されません。

確認項目実機でしか分からない理由
読みやすさ実際の画面サイズと明るさで印象が変わる
固定ヘッダーの挙動スクロール時のアドレスバーの伸縮で位置がずれる
フォームの入力体験キーボードが出た状態での表示は実機でしか分からない
表示速度モバイル回線とPCの速度差は大きい
タップの反応押しづらさは触らないと分からない

検収時には自分のスマートフォンで全ページを一度は見てください。 制作会社が確認していても、実際に使う人の目で見ると気づく点が必ず出ます。

発注時に決めておくこと

  1. SP用のデザインカンプを作るか(作らない場合、SPの見た目は実装者の判断になる)
  2. 対応する最小幅(375px 前後が一般的)
  3. 表をどう見せるか(横スクロールかカード型か)
  4. メインビジュアルのSP用画像を用意するか
  5. 確認する実機(機種とOSバージョンを合意しておく)

SP用カンプの有無が、見積もり差の大きな要因です。 安い見積もりはPC版だけデザインし、SPは実装で調整する前提になっていることがあります。 比較するときは、この条件を揃えてから金額を並べてください。

よくある質問

レスポンシブにすればスマホ用のデザインは不要ですか?

不要にはなりません。レスポンシブは「1つのHTMLを画面幅で出し分ける」手法で、スマートフォンでどう見せるかは別途デザインが必要です。PCデザインだけ作って「あとは自動で縮む」と考えていると、文字が小さすぎる・表が読めないといった問題が必ず起きます。

スマホ対応で費用はどれくらい上がりますか?

PC版のみと比べて2〜4割増しが目安です。ただし現在はレスポンシブが標準なので、「スマホ対応込み」で見積もられていることがほとんどです。見積もりを比べるときは、SP専用デザインを作るかどうかで差が出ます。

PC用とスマホ用でURLを分ける方式はどうですか?

現在は推奨されません。2つのHTMLを保守する手間が倍になり、更新漏れで内容がずれます。既存サイトがこの方式なら、リニューアル時にレスポンシブへ統合するのが一般的です。

スマホでの表示確認はどこまでやるべきですか?

実機で主要2〜3機種は必ず見てください。ブラウザの開発者ツールでのシミュレーションでは、フォントの太さ、タップの反応、固定ヘッダーの挙動などが実機と異なります。iPhone と Android を1台ずつ、可能なら画面の小さい機種を1台入れると確実です。

この記事の金額について

掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。

その要件、任せられる会社かどうか

技術的な要件が固まったら、次はそれを実現できる会社を選ぶ番です。得意分野の見極め方をまとめました。

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