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社労士法人DBコラム / 就業規則の作り方|10人未満でも作る意味

発注の進め方 / 更新:2026年8月13日

就業規則の作り方|10人未満でも作る意味

10人未満なら義務はありません。それでも作る価値があります。

就業規則の作り方|10人未満でも作る意味

就業規則は、トラブルが起きたときに会社を守る文書です。 ただし 作っただけでは効力を持ちません。 意見聴取・届出・周知の3つが揃ってはじめて機能します。

作成の手順

順番やること注意点
1現状を整理する労働時間、休日、賃金、休職の実態を洗い出す
2条文を作る実態と違うことを書かない。守れない規定は入れない
3従業員代表の意見を聴く過半数代表者を民主的な方法で選ぶ(会社が指名しない)
4労基署へ届け出る10人以上の事業場は義務。意見書を添付する
5従業員へ周知する掲示、書面交付、社内システムのいずれか
過半数代表者の選び方で無効になることがある

会社が一方的に指名した人の意見書は、 適法な手続きとみなされないことがあります。 投票、挙手、話し合いなど、労働者の過半数がその人を支持していると分かる方法で 選んでください。 管理監督者は代表になれません。 36協定でも同じ要件なので、あわせて確認しておくとよいです。

必ず書く事項(絶対的必要記載事項)

  • 始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交替勤務がある場合はその方法
  • 賃金の決定・計算・支払の方法、締切と支払の時期、昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

制度があるなら書く事項(相対的必要記載事項)

  • 退職手当(適用範囲、計算方法、支払方法・時期)
  • 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額
  • 食費、作業用品などの負担
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償、業務外の傷病扶助
  • 表彰と制裁(懲戒) ← 定めがないと懲戒処分ができない
実態に合わない条文を残さない

ひな形をもとに作るときに起きがちなのが、 自社にない制度が条文に残ることです。
・「賞与は年2回支給する」→ 業績が悪い年も支払い義務が生じる
・「退職金を支給する」→ 制度がないのに請求される
・「休職期間は3年」→ 復職しない社員を長期間抱える
書いてあることは守る義務があります。 実態に合わせて削るのも、作成作業の一部です。

変更するとき

変更の種類必要な手続き
労働者に有利な変更意見聴取 → 届出 → 周知
労働者に不利な変更原則として個別の同意が必要。合理性がなければ無効とされる
法改正への対応意見聴取 → 届出 → 周知(実務上は速やかに)

賃金の引下げ、手当の廃止、休職期間の短縮などは不利益変更にあたります。 同意なく進めると、後から無効を主張されることがあります。

作った後にやること

  • 周知の記録を残す:いつ、どの方法で知らせたか
  • 入社時に説明する:雇用契約書と併せて渡す
  • 年1回は見直す:法改正が頻繁にある分野(育児介護、ハラスメント、労働時間)
  • 運用と一致させる:規則にない運用を続けると、規則のほうが形骸化する

よくある質問

従業員が何人から届出が必要ですか?

<strong>常時10人以上</strong>の労働者を使用する事業場です。パート・アルバイトも人数に含みます。「事業場ごと」に数えるので、本社8人・支店5人なら支店だけ届出が不要ということはなく、各事業場で10人以上かどうかを見ます。

10人未満でも作る意味はありますか?

あります。<strong>懲戒処分は就業規則に定めがないとできません</strong>。休職制度も、規定がなければ「休ませる根拠」がありません。助成金の要件になることも多く、10人に達する前に整えておくほうが後が楽です。

従業員の同意は必要ですか?

作成・変更の際は<strong>意見を聴く</strong>ことが必要ですが、同意までは求められていません(意見書に反対と書かれていても届出は可能)。ただし<strong>労働条件を不利に変更する場合</strong>は、原則として個別の同意が必要です。

周知はどうすればよいですか?

「常時各作業場の見やすい場所への掲示」「書面の交付」「社内システムでの閲覧」のいずれかです。<strong>周知していないと効力を争われます</strong>。金庫にしまっておくのは周知にあたりません。

まとめ

  • 常時10人以上の事業場は届出が義務。10人未満でも懲戒や休職のために作る価値がある。
  • 過半数代表者は民主的な方法で選ぶ。会社の指名は無効になりうる。
  • ひな形の条文をそのまま残すと、自社にない制度を約束することになる。
  • 作成後の周知まで行って、はじめて効力を持つ。

作成を依頼する場合の費用は 就業規則の作成費用 にまとめています。

この記事の金額について

掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。

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