就業規則の作成費用|新規作成と変更の相場
ひな形をそのまま使うと、自社に不利な規定が残ることがあります。
就業規則は、トラブルが起きたときに「何が決まっていたか」を示す唯一の根拠です。 ひな形をそのまま使うと、 自社にない制度を約束してしまうことがあります。
作成・変更の費用
| 内容 | 費用の目安 | 期間 |
|---|---|---|
| 新規作成(ひな形ベース) | 10万〜20万円 | 2〜4週間 |
| 新規作成(実態に合わせて作成) | 20万〜50万円 | 1〜2か月 |
| 全面的な見直し | 15万〜40万円 | 1〜2か月 |
| 一部変更(条文の追加・修正) | 3万〜10万円 | 1〜2週間 |
| 法改正への対応 | 3万〜8万円 | 1〜2週間 |
| 労基署への届出代行 | 1万〜3万円 | — |
付随する規程
| 規程 | 費用の目安 | 必要になる場面 |
|---|---|---|
| 賃金規程 | 5万〜15万円 | 給与の体系、手当、昇給を定める |
| 育児・介護休業規程 | 5万〜12万円 | 法改正が多い。助成金の要件にもなる |
| 退職金規程 | 5万〜15万円 | 制度を設ける場合 |
| パートタイマー就業規則 | 8万〜20万円 | 正社員と労働条件が違う場合 |
| ハラスメント防止規程 | 3万〜10万円 | 措置義務への対応 |
| テレワーク規程 | 5万〜12万円 | 在宅勤務を制度化する場合 |
| マイカー通勤規程 | 3万〜8万円 | 通勤中の事故に備える |
・「賞与を年2回支給する」と書いてあり、業績が悪い年も支払い義務が生じる
・「退職金を支給する」と書いてあり、制度がないのに請求される
・自社にない役職や等級が前提の条文が残っている
・休職期間が長すぎる設定になっていて、復職しない社員を抱え続ける
就業規則は会社を守るための文書でもあります。
書いてあることは守る義務が生じるので、実態と合っているかを必ず確認してください。
作成の流れ
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. ヒアリング | 労働時間、休日、賃金、休職、退職の実態を聞き取る |
| 2. 原案の作成 | 実態と法令を照らし合わせ、条文にする |
| 3. 確認・修正 | 経営者が内容を確認。運用できるかを検討する |
| 4. 意見聴取 | 従業員代表から意見書をもらう(同意までは不要) |
| 5. 届出 | 労基署へ提出(従業員10人以上の事業場は義務) |
| 6. 周知 | 従業員が見られる状態にする。周知していないと効力が争われる |
就業規則は従業員に周知してはじめて効力を持つとされています。 金庫にしまっておくと、いざというときに「知らされていない」と主張されます。 休憩室に備え置く、社内システムで閲覧できるようにする、 といった形で誰でも見られる状態にしてください。
助成金との関係
多くの助成金で、就業規則の整備が要件になっています。
- キャリアアップ助成金:正社員転換の規定が必要
- 両立支援等助成金:育児・介護休業規程の整備
- 働き方改革推進支援助成金:労働時間や休暇の制度化
申請の直前に慌てて作ると、 「規定を作ってから一定期間の運用実績が必要」という要件を満たせないことがあります。 詳しくは 助成金申請の費用 を参照してください。
よくある質問
就業規則の作成費用はいくらですか?
新規作成で 20万〜50万円が目安です。ひな形をもとに最低限を整えるなら 10万〜20万円、自社の実態に合わせて作り込むと 30万〜50万円になります。賃金規程や育児介護休業規程などの付随規程は、1本 5万〜15万円が別途かかります。
従業員10人未満なら作らなくてよいですか?
労働基準法上の作成・届出義務はありません。ただし<strong>あったほうがよい</strong>のは変わりません。懲戒処分をするには就業規則に定めが必要ですし、助成金の申請でも提出を求められることがあります。
ひな形をそのまま使ってはいけませんか?
危険です。ひな形は一般的な内容なので、<strong>自社にない制度が書かれていたり、不利な条件を約束してしまう</strong>ことがあります。「退職金を支給する」と書いてあれば、実際に制度がなくても支払い義務が生じかねません。
変更したいときはどうすればよいですか?
従業員代表の意見を聴き、変更後の規則を労基署に届け出ます。<strong>労働条件を不利に変更する場合</strong>は、原則として従業員の同意が必要で、同意なく行うと無効とされることがあります。
まとめ
- 新規作成は 20万〜50万円。ひな形ベースなら 10万〜20万円。
- ひな形をそのまま使うと、自社にない制度を約束することになる。
- 10人未満に届出義務はないが、懲戒や助成金のために作る価値はある。
- 作成後は周知が必要。しまっておくと効力を争われる。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。