営業代行のKPI設計|何をもって成果とするか
アポ数だけを約束させると、行っても意味のないアポが増えます。
営業代行の失敗は、KPIの置き方でほぼ決まります。 評価される指標を代行会社は最大化するので、 何を数えるかがそのまま行動になります。
指標を段階で分ける
| 段階 | 指標 | 目安 | 誰の責任か |
|---|---|---|---|
| ① 架電 | コール数 | 1人日100〜150件 | 代行会社 |
| ② 接触 | 担当者接触率 | 10〜30% | 代行会社(リスト次第) |
| ③ アポ | アポ獲得数 / 率 | 架電の0.5〜3% | 代行会社 |
| ④ 商談化 | 商談化率 | 60〜80% | 双方(定義次第) |
| ⑤ 受注 | 受注率 | 商談の10〜30% | 自社(代行が商談まで担うなら双方) |
※ 委託範囲を超えた指標で評価しないこと。 アポ獲得までの契約なのに受注率で詰めると、関係が続きません。
アポの定義を数字で書く
次の項目を埋めると、請求段階での揉め事がなくなります。
・誰と会うか:決裁者/決裁関与者/担当者
・所要時間:30分以上の時間が確保されていること
・形式:訪問/オンライン/電話のどれを含むか
・相手の状態:課題があり、話を聞く意思があること
・除外:情報収集のみ、既存取引先、同業他社
・無効の扱い:ドタキャン、日時変更、先方都合の中止
「30分以上の時間を確保した、決裁に関与する担当者との商談。
ただし情報収集目的の面談と、当日キャンセルは無効」
という一文があるだけで、認識のずれが消えます。
月次で見る表
| 項目 | 先月 | 今月 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| コール数 | 2,000 | 2,100 | 計画どおり稼働しているか |
| 接触率 | 18% | 22% | リストと時間帯の改善が効いたか |
| アポ数 | 24 | 31 | — |
| 商談化数 | 15 | 24 | 質が落ちていないか |
| 商談化率 | 63% | 77% | 60%を下回ったら定義を見直す |
| 受注数 | 2 | 4 | — |
| アポ単価 | 2.5万円 | 1.9万円 | 費用 ÷ アポ数 |
| 受注単価 | 30万円 | 15万円 | 費用 ÷ 受注数。最終的な採算 |
※ 数字は記入例です。受注単価と粗利を並べると、 この投資を続けるかどうかが判断できます。
失注理由を分類する
商談化しなかった理由、受注しなかった理由を分類して共有すると、 翌月のターゲットとスクリプトが変わります。
| 失注理由 | 打ち手 |
|---|---|
| 予算が無い | ターゲットの企業規模を見直す |
| 時期が合わない | ナーチャリングに回す。捨てない |
| 担当者に決裁権が無かった | アポの定義を厳しくする |
| ニーズが無かった | リストの業種・条件を絞り直す |
| 競合に決まった | 提案内容の問題。自社側で対処 |
| 話が聞いていたものと違った | スクリプトが実態とずれている |
よくある質問
KPIはアポ数だけではだめですか?
だめではありませんが、<strong>アポ数だけを約束させると質が落ちます</strong>。代行会社は評価される指標を最大化するので、「とりあえず会ってくれる相手」を集めるようになります。結果として自社の営業が、検討する気のない相手との商談に時間を使うことになります。<strong>アポ数と商談化率をセット</strong>で置いてください。
商談化率はどのくらいが妥当ですか?
<strong>渡された商談のうち60〜80%</strong>が自社の営業から見て「商談として成立している」状態が目安です。これが50%を切るなら、アポの定義が緩いか、ターゲットがずれています。逆に95%を超えているなら、基準が厳しすぎて機会を取りこぼしている可能性があります。
受注率まで代行会社の責任にできますか?
<strong>商談以降を自社が担当するなら、受注率は自社の責任</strong>です。アポ獲得までを委託しているのに受注率で評価すると、代行会社は制御できない指標で評価されることになり、関係が続きません。クロージングまで任せている場合に限り、受注が評価軸になります。<strong>誰がどこまでやるか</strong>と評価指標は一致させてください。
最初の1か月で成果が出ないときは?
珍しくありません。<strong>1か月目は「量」の指標、3か月目から「質」の指標</strong>と段階を分けて評価してください。1か月目はコール数・接触率が計画どおりかを見て、スクリプトとリストの改善に充てます。アポの質を問うのは、改善が2〜3回まわった後です。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。