問い合わせフォームのスパム対策と、メールが届かない問題
要らないものが大量に届くより、必要なものが届かないほうが損失です。
問い合わせフォームで起きる問題は、大きく2つに分かれます。 要らないものが大量に届くのと、 必要なものが届かないことです。
前者は迷惑なだけですが、後者は商談の機会を失っています。 しかも気づきにくく、数か月放置されることがあります。
まず「届いているか」を確認する
公開直後にやるべき最優先の確認は、実際にフォームから送信してみることです。 その際、次の3つをすべて確認してください。
- 受信箱に届くか
- 迷惑メールフォルダに入っていないか
- フリーメール(Gmail等)と会社のメール、両方の宛先で試したか
自社ドメイン宛には届くのに Gmail 宛には届かない、という状態はよくあります。 自動返信メールが送信者に届かないと、 送った側は「送れていないのでは」と不安になり、電話も来ずに終わります。
届かない原因
| 原因 | 症状 | 対処 |
|---|---|---|
| SPF/DKIMが未設定 | 迷惑メール扱い・拒否される | DNSにSPF・DKIMを設定する |
| 送信元アドレスを訪問者のものにしている | なりすまし判定で弾かれる | 送信元は自社ドメインにし、返信先に訪問者を入れる |
| サーバーのメール送信が不安定 | 時々届かない | 外部の配信サービスを経由する |
| 受信側で振り分けている | 特定フォルダに入っている | 受信ルールを確認する |
「送信元を訪問者のメールアドレスにする」は最も多い設定ミスです。 自社サーバーから他社ドメインを名乗って送ることになるため、 受信側のなりすまし対策で弾かれます。 送信元は自社ドメインの固定アドレスにし、 返信先(Reply-To)に訪問者のアドレスを入れるのが正しい形です。
大手のメールサービスは、送信者認証が無いメールへの扱いを年々厳しくしています。 数年前は届いていたのに最近届かなくなった、という場合はこれが原因です。
スパムを止める方法
| 方法 | 効果 | 訪問者への影響 |
|---|---|---|
| reCAPTCHA v3 | 大半のボットを遮断 | 画面に何も出ない |
| reCAPTCHA v2 | ほぼ確実に遮断 | チェックや画像選択が必要。離脱が増える |
| ハニーポット | 単純なボットに有効 | 影響なし |
| 日本語必須のチェック | 海外スパムにほぼ確実 | 日本語で書けば影響なし |
| 送信間隔の制限 | 連投を遮断 | 影響なし |
順番としては、影響の小さいものから試してください。 ハニーポットと日本語必須のチェックだけで止まることも多く、 この2つは訪問者に一切の負担をかけません。
reCAPTCHA v3 は画面に表示されない代わりに、 スコアがしきい値を下回った送信を無言で弾きます。 しきい値を厳しくしすぎると、本物の問い合わせも消えます。 導入直後は、弾いた送信をログに残して内容を確認できるようにしておいてください。
フォームを外部サービスにする選択肢
自社サーバーからメールを送る構成をやめ、 外部のフォームサービスや配信サービスを経由する方法があります。
- 到達率が上がる:送信者認証が最初から整備されている
- 送信ログが残る:届いていない場合に原因を追える
- 管理画面で内容を確認できる:メールが消えても記録が残る
- スパム対策が標準で入っている
「メールが消えても記録が残る」は見落とされがちな利点です。 メールだけで運用していると、誤って削除した時点で問い合わせ内容が失われます。 月に数件でも商談に繋がる問い合わせがあるなら、記録が残る形にする価値があります。
放置されがちなチェック項目
| 確認すること | 頻度 |
|---|---|
| テスト送信して届くか | 公開直後+年2回 |
| 迷惑メールフォルダに入っていないか | 月1回 |
| 自動返信が送信者に届くか | 公開直後+年2回 |
| 担当者が退職していないか(宛先の見直し) | 異動のたび |
| サーバー移転・ドメイン変更の後の再確認 | そのつど |
サーバー移転の直後は特に注意してください。 サイトの表示は問題なくても、メール送信の設定だけ移行漏れになることがあります。 移転後は必ず、実際に送って届くところまで確認してください。
発注時に確認すること
- スパム対策が見積もりに含まれるか(何を入れるか具体的に)
- SPF・DKIMの設定を誰がやるか
- 送信元アドレスは自社ドメインか
- 送信内容がサーバー側にも記録されるか
- 宛先の変更を自社でできるか(担当変更のたびに依頼が要ると面倒になる)
よくある質問
海外からの英語のスパムが1日数十件来ます。
ボットによる自動送信です。reCAPTCHA v3 の導入で大半は止まります。それでも残る場合は、フォームに人間には見えない入力欄を仕込む方法(ハニーポット)や、「本文に日本語が1文字も含まれない送信を弾く」といった条件を足すとほぼゼロになります。
送信完了画面は出るのにメールが届きません。
フォーム側は正常で、メールの配送で止まっています。多くはSPF・DKIMなどの送信者認証が未設定で、受信側に迷惑メール扱いされているか、そもそも受け取り拒否されています。まず迷惑メールフォルダを確認し、無ければ送信元の設定を見直してください。
reCAPTCHA を入れると問い合わせが減りませんか?
v3(画面に何も出ない方式)なら通常は減りません。減るのは v2 の「私はロボットではありません」や画像選択を出した場合で、ここで離脱する人は一定数います。まず v3 を入れ、それでも抜けてくる場合に限って v2 を併用するのが現実的です。
スパム対策は制作費に含まれますか?
含まれないことがあります。「フォーム設置」の見積もりに、スパム対策や到達性の設定まで含まれているかは必ず確認してください。後から追加すると数万円かかることがあります。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。