オフィス移転の進め方|12か月前からの逆算
解約予告の期限から逆算します。順番を間違えると二重家賃が発生します。
オフィス移転の失敗は、ほとんどが順番から起きます。 解約予告のタイミングを誤ると、行き先がないまま退去日が来るか、 二重家賃を数か月払うことになります。
12か月前からの流れ
| 時期 | やること | 決めること |
|---|---|---|
| 12〜10か月前 | 現契約の解約条項を確認。要件を整理 | 面積・エリア・予算・時期・決裁者 |
| 10〜8か月前 | 仲介会社に相談。物件の紹介を受ける | 候補の絞り込み |
| 8〜7か月前 | 内覧。レイアウトの検討 | 物件の決定 |
| 7〜6か月前 | 申込み・条件交渉・契約締結 | 賃料、フリーレント、原状回復の範囲 |
| 6か月前 | 現オフィスの解約予告 | 退去日 |
| 6〜4か月前 | レイアウト設計、内装業者の選定 | 工事内容と費用 |
| 4〜2か月前 | 内装工事、什器・OA機器の発注 | — |
| 2〜1か月前 | 引越し業者の手配、各種届出の準備 | 移転日 |
| 移転当日 | 引越し | — |
| 移転後1か月 | 旧オフィスの原状回復、登記変更 | — |
先に予告してしまう → 物件が見つからず、行き先がないまま退去日が来る
遅く予告する → 旧オフィスの賃料を余分に払う
安全なのは新物件の契約を締結した直後に予告することです。
申込みだけでは確定しないため、契約書への署名を待ってください。
予告期間が6か月の場合、契約から入居まで通常2〜3か月なので、
3〜4か月ぶんの二重家賃が発生します。
フリーレントの交渉で吸収してください。
最初に決める4つ
| 項目 | 決め方 |
|---|---|
| 面積 | 1人あたり2〜4坪。働き方(固定席・フリーアドレス・リモート併用)で変わる |
| エリア | 従業員の通勤、取引先へのアクセス、採用への影響 |
| 予算 | 月額(賃料+共益費)と、初期費用の総額を分けて決める |
| 入居時期 | 現契約の満了日と解約予告から逆算 |
条件の良い物件は数日で埋まります。
「役員会で諮ってから」では間に合いません。
誰がどこまで決められるかを先に決め、
予算の上限も社内で通しておいてください。
仲介会社に「即断できる会社」と思われるかどうかで、
紹介される物件の質も変わります。
各種届出
| 届出先 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 法務局 | 本店移転登記 | 移転から2週間以内 |
| 税務署 | 異動届出書 | 速やかに |
| 都道府県税事務所・市区町村 | 異動届 | 速やかに |
| 年金事務所 | 適用事業所所在地変更届 | 5日以内 |
| 労働基準監督署・ハローワーク | 名称・所在地変更届 | 10日以内 |
| 郵便局 | 転居届 | 移転前 |
| 金融機関・取引先 | 住所変更 | 移転前後 |
※ 許認可を受けている業種(建設業、宅建業、人材派遣など)は、 所管官庁への変更届も必要です。
忘れやすいこと
- 旧オフィスの原状回復:見積もりを早めに取る。保証金から差し引かれる
- 電話番号:市外局番が変わると番号を引き継げないことがある
- インターネット回線:新オフィスで工事が必要。1〜2か月かかることも
- 什器の廃棄:産業廃棄物として処分費がかかる
- 名刺・封筒・Webサイト:住所表記の変更
- 取引先への通知:請求書の送付先が変わる
よくある質問
いつから準備を始めればよいですか?
入居希望日の<strong>12か月前</strong>からです。現在の契約の解約予告が6か月前という例が多く、新オフィスが決まる前に予告すると行き先を失い、決まってから予告すると二重家賃が発生します。まず契約書の解約条項を確認してください。
解約予告はいつ出しますか?
<strong>新しい物件の契約を締結した直後</strong>です。申込みの段階では確定ではないため、契約書に署名してから予告するのが安全です。ただし予告期間が長い契約では、二重家賃を覚悟して先に出す判断もあります。
二重家賃はどれくらい発生しますか?
内装工事の期間(2〜3か月)が重なるのが一般的です。<strong>フリーレント</strong>を交渉できれば、この期間の新オフィス賃料を免除してもらえます。1〜3か月のフリーレントは珍しくありません。
社内で何を決めておくべきですか?
面積・エリア・予算・入居時期の4つです。特に<strong>誰が最終決定するか</strong>を最初に決めてください。物件は動きが速く、社内の合意に時間がかかると候補が押さえられません。
まとめ
- 準備は12か月前から。まず現契約の解約条項を確認する。
- 解約予告は新物件の契約締結後。順番を間違えると行き先を失う。
- 二重家賃は3〜4か月分。フリーレントで吸収する。
- 決裁者を最初に決める。良い物件は数日で埋まる。
費用は オフィス移転の費用、 物件探しは 事業用不動産の仲介会社、 契約は 事業用賃貸借契約の注意点 を参照してください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。