オフィス移転の費用|総額と内訳、抑える方法
1人あたり30万〜60万円。最も見落とされるのが旧オフィスの原状回復です。
オフィス移転の費用は、新しいオフィスにかかるものだけではありません。 旧オフィスの原状回復が数百万円になることがあり、 ここを見込まずに予算を組むと足りなくなります。
費用の全体像(20人・50坪の場合)
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 新オフィスの初期費用 | 400万〜900万円 | 保証金・前家賃・仲介手数料。保証金は退去時に返る |
| 内装工事 | 500万〜1,500万円 | 坪10万〜30万円。居抜きなら大幅に減る |
| 什器・家具 | 200万〜600万円 | 1人あたり10万〜30万円 |
| OA・ネットワーク工事 | 100万〜300万円 | LAN配線、電話、複合機の設置 |
| 引越し | 50万〜150万円 | 1人あたり2.5万〜7.5万円 |
| 旧オフィスの原状回復 | 150万〜1,000万円 | 坪3万〜20万円。契約内容による |
| 各種届出・印刷物 | 10万〜50万円 | 登記変更、名刺、封筒 |
| 合計 | 1,410万〜4,500万円 | 1人あたり 70万〜225万円 |
※ 保証金(返還される分)を除くと、実質の支出は 1人あたり 30万〜60万円が中心です。
新オフィスのことばかり考えていると、旧オフィスの原状回復が抜けます。
保証金から差し引かれるため、
「戻ってくるはずの500万円が200万円だった」という事態が起きます。
移転を決めた時点で、現在の契約書の原状回復条項を確認し、
見積もりを取っておいてください。
詳しくは 原状回復の費用相場 にまとめています。
内装工事の費用
| 物件の状態 | 坪単価 | 50坪の場合 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 居抜き(そのまま使える) | 3万〜10万円 | 150万〜500万円 | クリーニング、一部の造作変更 |
| スケルトン(標準的な内装) | 10万〜20万円 | 500万〜1,000万円 | 間仕切り、床、照明、空調 |
| スケルトン(作り込み) | 20万〜40万円 | 1,000万〜2,000万円 | デザイン性の高い造作、特注家具 |
| セットアップオフィス | 0円 | 0円 | 貸主が内装済み。賃料はやや高い |
居抜きは、前の借主の内装を引き継いで使う方式です。
造作譲渡料が発生することもありますが、
内装工事費が3分の1になることがあります。
セットアップオフィスは、貸主が内装を施した状態で貸す物件です。
初期費用がほぼゼロで入居でき、退去時の原状回復も軽くなります。
賃料は相場よりやや高めですが、
短期での利用や、初期資金を抑えたい場合に向きます。
スケジュールと支払いの時期
| 時期 | 支払うもの |
|---|---|
| 契約時(入居6か月前) | 保証金、前家賃、仲介手数料 |
| 設計・発注時(4か月前) | 内装工事の着手金(3〜5割) |
| 工事完了時(1か月前) | 内装工事の残金、什器代 |
| 移転当日 | 引越し費用 |
| 退去後(1〜2か月後) | 原状回復費(保証金から相殺) |
契約時に最も大きな支出(保証金)があり、 旧オフィスの賃料と新オフィスの賃料が重なる期間も発生します。 資金繰りは移転の1年前から見ておいてください。
抑えるための判断
- 居抜き・セットアップを検討する:内装費が最も大きい項目
- 什器を持ち込む:デスクとチェアだけでも1人10万円の差になる
- 原状回復を契約時に交渉する:入居前なら範囲を狭められる余地がある
- 引越しを平日・閑散期に:3〜4月と土日は割増になる
- フリーレントで二重家賃を吸収する:工事期間中の賃料を免除してもらう
よくある質問
オフィス移転の総額はいくらですか?
<strong>1人あたり30万〜60万円</strong>が目安です。20人なら 600万〜1,200万円。内訳は内装工事、什器、引越し、原状回復、新オフィスの初期費用(保証金など)。このうち保証金は退去時に戻る性質のものです。
最も見落としやすい費用は何ですか?
<strong>旧オフィスの原状回復</strong>です。オフィスで坪3万〜10万円、スケルトン返しなら坪10万〜20万円かかります。30坪なら 90万〜600万円。保証金から差し引かれるため、返還額が想定より少なくなります。
内装工事はいくらですか?
坪10万〜30万円が目安です。居抜き(前の借主の内装を引き継ぐ)なら坪3万〜10万円に抑えられます。スケルトン(コンクリート打ちっぱなし)からだと、電気・空調・消防設備まで必要になり坪20万〜40万円になります。
費用を抑える方法はありますか?
<strong>居抜き物件を選ぶ</strong>のが最も効きます。内装費が3分の1になることもあります。ほかに、什器を一部持ち込む、原状回復の範囲を契約時に交渉しておく、引越しを土日でなく平日にする、といった方法があります。
まとめ
- 実質の支出は1人あたり30万〜60万円(保証金を除く)。
- 最も見落とすのが旧オフィスの原状回復。保証金から差し引かれる。
- 内装は坪10万〜30万円。居抜きなら3分の1に抑えられる。
- 資金繰りは1年前から。契約時に最大の支出がある。
進め方は オフィス移転の進め方、 物件探しは 事業用不動産の仲介会社 を参照してください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。