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不動産会社DBコラム / 事業用賃貸借契約の注意点|普通借家と定期借家

発注の進め方 / 更新:2026年8月13日

事業用賃貸借契約の注意点|普通借家と定期借家

定期借家は更新がありません。契約の種類を最初に確認してください。

事業用賃貸借契約の注意点|普通借家と定期借家

事業用の賃貸借契約は、住居用より借主の保護が弱く、 契約書に書かれたことがそのまま適用されます。 署名する前に確認すべき点を整理します。

契約の種類

普通借家契約定期借家契約
更新原則として更新される更新なし。期間満了で終了
貸主からの終了正当事由が必要期間満了で当然に終了
再契約貸主が応じれば可能(保証はない)
賃料の減額請求できる特約で排除できる
中途解約特約による特約による
賃料水準相場やや低いことがある
定期借家は「出て行かなければならない」契約

定期借家は期間満了で確実に終わります。 再契約できるかは貸主の判断で、 断られれば移転せざるを得ません
内装に数千万円かけた店舗やオフィスで、 3年の定期借家だと投資を回収しきれないことがあります。 契約書の冒頭で「定期建物賃貸借契約」となっていないか、 最初に確認してください。

確認すべき条項

条項見るポイント
契約期間何年か。定期借家か普通借家か
中途解約できるか。予告期間(3〜6か月前が多い)。違約金の有無
賃料改定何年ごとに見直すか。上げ幅の上限があるか
原状回復どの状態に戻すか。業者は指定か
造作の扱い設置した内装を残せるか。買取請求権の放棄条項があるか
用途制限事務所限定か。業種の変更や第三者への転貸は可能か
使用時間24時間使えるか。休日の空調は別料金か
連帯保証個人保証なら極度額の記載があるか
保証金の返還いつ返るか。償却(返さない分)はあるか
保証金の「償却」に注意

保証金12か月のうち、2か月分は退去時に返さないという 「償却」の定めがあることがあります。 敷引き(しきびき)とも呼ばれます。
月額50万円の物件なら100万円。 契約書の「保証金」の項に償却の記載がないか確認してください。 交渉で減らせることもあります。

中途解約ができない場合のリスク

中途解約の条項がない5年契約で、2年で撤退することになった場合、 残り3年分の賃料を請求される可能性があります。 月50万円なら1,800万円です。

  • 中途解約の条項を入れてもらう:6か月前予告など
  • 違約金の上限を決めておく:残賃料の全額ではなく、3〜6か月分にする
  • 契約期間を短くする:5年を3年にする
  • 転貸を可能にしておく:撤退時に第三者へ引き継げる

署名前にすること

  1. 重要事項説明を受ける:宅地建物取引士が書面(電子可)で説明する義務がある
  2. 契約書を持ち帰る:その場で署名せず、社内で確認する時間を取る
  3. 原状回復の範囲を写真で確認する:入居時の状態を記録し、貸主と共有する
  4. 設備の状態を確認する:空調・給排水の故障時に誰が負担するか
  5. 不明点を書面で質問する:口頭の回答は残らない

よくある質問

普通借家と定期借家の違いは何ですか?

<strong>普通借家</strong>は期間が来ても原則として更新され、貸主から断るには正当事由が必要です。<strong>定期借家</strong>は期間の満了で契約が終了し、更新はありません。再契約できるかは貸主次第なので、長く使う前提なら普通借家のほうが安全です。

途中で解約できますか?

契約によります。<strong>中途解約の条項がなければ、原則として解約できません</strong>。期間内の賃料を全額支払う義務が残ることもあります。「6か月前の予告で解約できる」といった条項が入っているかを必ず確認してください。

賃料を下げてもらえますか?

契約中の減額請求は、借地借家法にもとづき「経済事情の変動」などを理由に可能とされています。ただし<strong>定期借家で「賃料改定をしない」特約</strong>がある場合は、その特約が優先されることがあります。

個人保証を求められました。

事業用では代表者の連帯保証を求められることが一般的です。2020年の民法改正により、<strong>個人が保証人になる場合は極度額(上限)の明示が必要</strong>になりました。極度額の記載がない個人保証は無効です。

まとめ

  • まず普通借家か定期借家かを確認する。定期借家は更新がない。
  • 中途解約の条項がなければ、残期間の賃料を負う可能性がある。
  • 保証金の償却と原状回復の範囲は、契約前にしか交渉できない。
  • 個人保証は極度額の記載がなければ無効(2020年民法改正)。

※ 契約の判断は個別の事情によります。重要な契約では弁護士にご確認ください。

原状回復の費用は 原状回復の費用相場 にまとめています。

この記事の金額について

掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。

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