「SEO対策込み」の中身|制作会社が実際にやること
制作時のSEOは土台づくりです。必要条件ですが、十分条件ではありません。
ホームページ制作の見積もりには、たいてい「SEO対策込み」と書かれています。 ところがその中身は会社によって大きく違い、 何もしないのと変わらない場合もあります。
ここでは制作時のSEO対策として実際に何が行われるのか、 そしてそれだけでは順位が上がらない理由を整理します。
制作時のSEOは「土台づくり」でしかない
検索順位は、大きく分けて次の3つで決まります。
| 要素 | 誰がやるか | 制作費に含まれるか |
|---|---|---|
| 技術的な土台(読み取れる状態にする) | 制作会社 | 含まれる(べき) |
| コンテンツ(何が書かれているか) | 発注者または外部 | 含まれないことが多い |
| 被リンク・評判(他サイトからの言及) | 事業活動の結果 | 含まれない |
制作費に含まれるのは、ほぼ1行目だけです。 土台が整っていないと上位に出ませんが、 整っていれば上がるわけでもありません。 「必要条件であって十分条件ではない」というのが正確な表現です。
制作時に実際にやること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトルタグ | ページごとに異なる、内容を表す文言を設定する |
| meta description | 検索結果に出る説明文をページごとに書く |
| 見出し構造 | h1〜h3 を文書構造として正しく使う(見た目の大小で選ばない) |
| 内部リンク | 関連ページ同士を繋ぎ、回遊できるようにする |
| サイトマップ | XMLサイトマップを生成し、Search Console に登録する |
| 構造化データ | 会社情報・パンくず・FAQなどを機械が読める形で書く |
| 画像のalt | 画像の内容をテキストで説明する |
| 表示速度 | 画像の最適化、不要なスクリプトの削減 |
| スマートフォン対応 | スマートフォンでの表示を基準に評価される |
| URL設計 | 階層が内容と対応し、後から変えなくてよい構造にする |
この10項目が「SEO対策込み」の実体です。 技術的にはどれも難しくありませんが、 ページ数が多いサイトでは相応の作業量になります。 逆に言えば、これらを省いても見た目は完成するため、 安い見積もりでは省略されていることがあります。
「対策込み」でも実際にはやっていない例
- 全ページのタイトルが会社名だけ:どのページも同じ文言になっている
- meta description が未設定:検索結果の説明文が本文から自動で拾われる
- 見出しを見た目で使っている:大きく見せたいだけでh2を使い、構造が壊れている
- 文字を画像にしている:デザイン重視で本文が画像化され、内容が読み取られない
- サイトマップが未登録:作ってあるが Search Console に登録していない
- リニューアルで転送していない:旧URLの評価を捨てている
「文字を画像にしている」は今でも見かけます。 凝ったデザインを実現するために本文を画像で作ると、 検索エンジンにはそのページの内容がほとんど伝わりません。 修正のたびに画像を作り直す必要もあり、運用の面でも不利です。
見積もりで確認すべきこと
「SEO対策込み」の一行だけでは判断できません。次の質問をしてください。
- タイトルとdescriptionは、誰が何ページ分書きますか
- 構造化データは何を入れますか
- Search Console と解析ツールの設定は含まれますか
- リニューアルの場合、旧URLの転送設計は含まれますか
- 公開後のレポートはありますか(あれば別料金か)
1つめの質問が最も差が出ます。 30ページのサイトなら、タイトルとdescriptionだけで60本の文章が必要です。 これを制作会社が書くのか発注者が書くのかで、作業量も金額も変わります。 「発注者に書いてもらう」前提の見積もりなのに伝わっていないと、 公開直前に大量の宿題が降ってきます。
公開後にやるべきこと
制作時の対策が終わったら、あとはコンテンツを増やす作業です。 ここが本体で、制作時の対策はその準備にすぎません。
| やること | 目的 |
|---|---|
| Search Console で検索クエリを見る | 実際に何で探されているか把握する |
| 掲載順位4〜10位のページを改善する | 1位を狙うより早く成果が出る |
| 表示はされているがクリックされないページのタイトルを直す | 流入が増える |
| 実際の質問をもとに記事を書く | 検索意図に合った内容になる |
まず見るべきは、4〜10位のキーワードです。 すでに評価されているページを1ページ目の上位に押し上げるほうが、 圏外のキーワードを新規に狙うより確実に、早く成果が出ます。
記事のネタは、営業や問い合わせで実際に聞かれた質問が最も強くなります。 検索ボリュームの大きいキーワードを狙うより、 自社の商談で頻出する疑問に答えるほうが、 読んだ人が問い合わせに近い状態で来てくれます。
よくある質問
「SEO対策込み」と書かれていれば順位は上がりますか?
上がりません。制作時のSEO対策は「検索エンジンが正しく読み取れる状態にする」ことであって、順位を上げる作業ではありません。順位は公開後のコンテンツと被リンクで決まります。土台が整っていないと上がらない、という関係です。
「上位表示を保証します」と言われました。
避けたほうがよい提案です。検索エンジンのアルゴリズムは非公開で更新も頻繁なため、順位を保証できる事業者は存在しません。保証をうたう場合、競合のいないキーワードで達成する、不自然な被リンクを使うなど、後で不利になる手法が使われている可能性があります。
制作会社にSEOも任せるべきですか?
制作時の土台づくりは制作会社の仕事です。公開後のコンテンツ制作や分析まで任せるかは別の判断で、デザインが得意な会社がSEOも得意とは限りません。実績として「どのサイトで、どのキーワードが、どう伸びたか」を具体的に出せるかで見極めてください。
効果が出るまでどれくらいかかりますか?
新規ドメインなら半年から1年が目安です。既存ドメインのリニューアルでも3か月程度は見てください。公開直後に順位が下がることもありますが、URLの変更と転送が正しければ通常は数週間で戻ります。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。