広告を出す前に、サイト側で直しておくこと
広告はアクセスを増やす手段です。問い合わせに変えるのはサイトの仕事です。
「問い合わせを増やしたいので広告を出したい」という相談は多いのですが、 サイト側の準備ができていない状態で出稿すると、広告費の大半が無駄になります。
広告はアクセスを増やす手段であって、 訪問者を問い合わせに変えるのはサイトの仕事です。 ここが弱いままだと、費用に比例して損失も増えます。
出稿前に確認する6つ
| 確認項目 | できていないと |
|---|---|
| 広告の内容に対応するページがあるか | トップに送ることになり離脱する |
| そのページに問い合わせ導線があるか | 読んで終わりになる |
| スマートフォンで読めるか | 広告のクリックは大半がスマートフォン |
| フォームが実際に届くか | 問い合わせが消える |
| 問い合わせ完了が計測できているか | 成果が分からず改善できない |
| 料金の目安が書いてあるか | 比較段階で候補から外れる |
5つめが最も重要です。 問い合わせ完了を計測していないと、 「どのキーワードから問い合わせが来たか」が分かりません。 この状態では、クリック数だけを見て運用することになり、 成果の出ないキーワードに費用を使い続けます。
着地先を検索語に合わせる
広告の効率を最も左右するのは、着地先のページです。
| 検索語 | 送るべきページ | よくある誤り |
|---|---|---|
| ◯◯ 費用 | 費用のページ | トップページ |
| ◯◯ 会社 △△市 | エリア対応が書かれたページ | 会社概要 |
| ◯◯ とは | 解説記事 | サービス紹介(まだ検討前) |
| ◯◯ 比較 | 比較・選び方の記事 | 自社サービスの売り込み |
| 会社名 | トップページ | — |
検索語には検討段階が表れています。 「◯◯とは」で調べている人に見積もりを求めても動きません。 逆に「◯◯ 費用 比較」の人には、料金と選び方をすぐ見せるべきです。 段階に合わないページに送ると、クリック単価だけ払って何も残りません。
料金を書いていないと比較で落ちる
広告からの訪問者は、複数のサイトを並行して見ています。 「料金は要問い合わせ」だけのサイトは、その場で候補から外れます。
一律の金額を出せない場合でも、
- 「◯◯万円から」という下限
- 何によって金額が変わるか
- 過去の事例での金額帯
のいずれかは書けます。 これがあるだけで、問い合わせの質も上がります。 予算感が合わない人が事前に離脱するため、 対応する側の工数も減ります。
広告の種類と向き不向き
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 検索広告 | 探している人に出る | 今すぐ客を取る。BtoBの基本 |
| ディスプレイ広告 | 他サイトの広告枠に出る | 認知拡大。CVは取りにくい |
| リターゲティング | 訪問済みの人に再度出す | 検討期間が長い商材 |
| SNS広告 | 属性で絞って出す | 採用・BtoC寄りの商材 |
BtoBでまず試すべきは検索広告です。 自社のサービスを探している人に直接出せるため、 少額でも成果を確認しやすくなります。
リターゲティングは検討期間の長いBtoBと相性が良い手法です。 一度サイトを見た人に再度接触できるため、 社内検討中に思い出してもらえます。 ただし過度な頻度は逆効果になるため、表示回数の上限を設定してください。
SEOと広告の使い分け
| 広告 | SEO | |
|---|---|---|
| 効果が出るまで | 即日 | 半年〜1年 |
| 止めたとき | すぐ止まる | しばらく残る |
| 費用 | クリックごとに発生 | 制作費のみ(継続的な追加は必要) |
| 取れるキーワード | 費用を払えば上位に出る | 競合が強いと難しい |
「広告かSEOか」ではなく、両方使うのが基本です。 広告で早く反応を見て、 成果の出たキーワードをSEOで狙うという順番が効率的です。 どのキーワードが問い合わせに繋がるかは、広告のほうが早く分かります。
始めた後に見る数字
- 問い合わせ件数(クリック数ではない)
- 問い合わせ1件あたりの費用(広告費 ÷ 問い合わせ件数)
- キーワードごとの問い合わせ数(成果の出ないものを止める)
- 着地ページごとの通過率(どのページが弱いか)
2つめが判断の基準になります。 問い合わせ1件あたり2万円かかっていても、 受注単価が300万円なら十分に見合います。 逆に受注単価が20万円なら合いません。 業界の相場ではなく、自社の受注単価と比べてください。
なお、問い合わせのうち何割が商談になるかも記録しておくべきです。 問い合わせ単価が安くても、 商談にならない問い合わせばかりなら意味がありません。
よくある質問
広告を出せば問い合わせは増えますか?
アクセスは増えますが、問い合わせが増えるかは着地先のページ次第です。受け皿が整っていない状態で広告費を使うと、集めた分をそのまま逃がすことになります。先にサイト側を確認してください。
トップページに広告を送ってはいけませんか?
効率が落ちます。「◯◯の費用」で検索した人をトップページに送ると、自分で該当ページを探すことになり、そこで多くが離脱します。検索語に対応する内容が最初に表示されるページへ送ってください。
予算はどれくらいから始めるべきですか?
月10万〜30万円からが一般的です。ただし少なすぎると判断に必要なデータが溜まりません。3か月続けて、クリック数と問い合わせ数の関係が見える程度は必要です。1か月試して止める使い方には向きません。
運用は代理店に頼むべきですか?
月の広告費が20万円を下回るうちは、手数料の割合が高くなるため自社運用も選択肢です。ただし設定を誤ると無駄が大きいため、初期設定だけ依頼して運用は自社、という分け方も現実的です。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。