メール配信・メルマガの進め方|続く仕組みの作り方
週1回を宣言して3回で止まるより、月1回を1年続けるほうが効果があります。
一度接点を持った相手に継続的に情報を届ける手段として、 メール配信は費用対効果が高い方法です。
ただしBtoBでは検討期間が長いため、 売り込みを続けても効果は出ません。 役立つ情報を送り続けて、検討が始まったときに想起されるのが目的です。
まず送り先を整理する
| 送り先 | 取得元 | 反応 |
|---|---|---|
| 問い合わせをした人 | フォーム | 高い |
| 資料をダウンロードした人 | フォーム | 中 |
| 名刺交換した相手 | 商談・展示会 | 中 |
| 過去の取引先 | 顧客管理 | 高い |
| 購入したリスト | 外部 | 低い。同意の確認が必要 |
最も効くのは「過去の取引先」です。 すでに取引の実績があり、 こちらのことを知っている相手なので、 再依頼や紹介につながりやすくなります。 新規開拓より先に、既存の関係に送ってください。
購入したリストへの配信は、 同意の有無が確認できないため慎重に判断すべきです。 反応も低く、迷惑メール報告が増えると 自社ドメインからのメール全体が届きにくくなります。
法律上の要件
広告や宣伝を目的とするメールには、 特定電子メール法による決まりがあります。
- あらかじめ同意を得た相手に送る(名刺等でアドレスを通知された場合を含む)
- 送信者の氏名または名称を表示する
- 送信者の住所を表示する
- 問い合わせ先(電話・メール・URL)を表示する
- 配信停止の方法を明示し、実際に停止できるようにする
- 同意を得た記録を保存する
5つめの配信停止は、実際に機能することが重要です。 リンクが張られているのに手続きが完了しない、 停止を申し出たのに送り続ける、といった状態は問題になります。
※ 個別の適否については、所管の資料または専門家にご確認ください。
届かなければ意味がない
内容を作り込む前に、 そもそも受信箱に届いているかを確認してください。
| 確認すること | 対応 |
|---|---|
| SPF・DKIMが設定されているか | DNSに設定する |
| 送信元が自社ドメインか | 他社ドメインを名乗らない |
| 大量送信の仕組みを使っているか | 通常のメールソフトからの一斉送信は避ける |
| 迷惑メールに入っていないか | 複数のメールサービス宛にテスト送信する |
通常のメールソフトから数百件を一斉送信するのは避けてください。 送信元が制限されるだけでなく、 宛先が他の受信者に見えてしまう事故につながります。 配信専用のサービスを使ってください。 月数千円から利用でき、開封やクリックの計測も付いてきます。
何を書くか
| 反応がある内容 | 反応が薄い内容 |
|---|---|
| 実務で使える情報・注意点 | 自社の新サービス紹介 |
| 導入事例(似た会社の話) | 社内イベントの報告 |
| 法改正・制度変更の解説 | 季節の挨拶だけの内容 |
| よくある質問への回答 | 売り込みの繰り返し |
| 公開した記事の案内 | — |
売り込みだけのメールは、配信停止を増やします。 読み手は自社の課題を解決したいのであって、 他社の宣伝を読みたいわけではありません。
最も手間がかからないのは、公開した記事の案内です。 サイトにコラムを書いているなら、 それを数行の紹介文とともに送るだけで内容になります。 メールのために新しく書く必要はありません。
件名で決まる
- 具体的にする(「◯月号のお知らせ」では開かれない)
- 読むと何が分かるかを書く
- 短くする(スマートフォンでは20文字程度で切れる)
- 過度な煽りを避ける(迷惑メール判定を受けやすい)
- 会社名を件名に入れるかは、認知度で判断する
「◯◯通信 第12号」のような件名は開かれません。 「制作会社を変えるときに揉める3つのこと」のように、 読むと何が得られるかが分かる件名にしてください。
続ける仕組みを作る
- 月1回など、守れる頻度を決める
- 送る日を固定する(第2火曜、など)
- 型を作る(毎回同じ構成にすれば作成が早い)
- 担当を1人決める
- 3本分のネタを先に用意しておく
止まる原因は、内容ではなく仕組みです。 毎回ゼロから考えていると負担が大きく、 忙しい月に飛ばした時点で止まります。 型を決めて、記事の紹介だけでも成立する形にしておいてください。
見る数字
- クリック数(開封率より確実な指標)
- 配信停止の数(増えたら内容を見直す)
- メール経由の問い合わせ(最終的な成果)
- エラーで届かなかった数(アドレスの整理に使う)
配信停止を恐れないでください。 関心の無い相手が抜けることで、 リストの精度は上がります。 問題なのは、停止が急に増えたときで、 そのときは頻度か内容に原因があります。
よくある質問
名刺交換した相手にメールを送ってよいですか?
特定電子メール法では、名刺などで自分のメールアドレスを通知した相手への広告メール送信は同意があったものとして扱われます。ただし<strong>送信者情報の明示と、配信停止の方法を記載する義務</strong>は変わりません。実務上は同意を得ておくほうが安全です。
どれくらいの頻度で送るべきですか?
月1回から始めるのが現実的です。週1回を宣言して3回で止まるより、月1回を1年続けるほうが効果があります。<strong>続けられる頻度を選んでください。</strong>止まったメルマガは、送っていないのと同じです。
開封率はどれくらいが普通ですか?
BtoBで15〜30%程度が一般的な水準です。ただし開封の計測は画像の読み込みに依存するため、実際より低く出ることがあります。開封率だけでなく、リンクのクリック数と、そこからの問い合わせを見てください。
HTMLメールとテキストメールはどちらがよいですか?
BtoBではテキスト形式でも十分に成立します。HTMLは見栄えが良い反面、受信環境によって崩れ、迷惑メール判定を受けやすくなります。内容が読まれることを優先するなら、シンプルな形式のほうが確実です。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。