製造業サイトの費用相場|購買担当者が見ている情報
見られているのは理念や沿革ではなく「うちの案件を受けられるか」です。
製造業のホームページは、 誰に何を伝えるかで作り方が大きく変わります。
新規取引先を増やしたいのか、 採用に使いたいのか、 既存取引先への説明資料にしたいのか。 この優先順位を決めないまま作ると、どれにも効かないサイトになります。
費用の目安
| 内容 | ページ数 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 会社案内中心 | 6〜10ページ | 50万〜120万円 |
| 技術・設備紹介あり | 12〜25ページ | 120万〜300万円 |
| 製品データベース付き | 30ページ以上 | 300万〜800万円 |
| 多言語対応 | — | 1言語あたり +30万〜150万円 |
| 技術資料のダウンロード管理 | — | +30万〜150万円 |
製造業で費用が上がりやすいのは、次の要素です。
- 製品や部品の点数が多い(一覧と検索の仕組みが必要になる)
- 図面・仕様書のダウンロード(管理の仕組みと権限設定)
- 工場・設備の撮影(現場での撮影は準備に手間がかかる)
- 技術的な原稿(内容を理解できるライターが必要)
購買担当者が探している情報
発注先を探している人が最初に確認するのは、 「うちの案件を受けられる会社か」です。 会社の理念や沿革ではありません。
| 情報 | なぜ見られるか | 優先度 |
|---|---|---|
| 対応できる加工・工法 | そもそも受けられるか | 必須 |
| 対応できる材質 | 案件の材料が扱えるか | 必須 |
| 対応できるサイズ・重量 | 設備の能力で判断する | 必須 |
| ロット数の目安 | 試作1個から受けるのか、量産のみか | 高 |
| 保有設備の一覧 | 能力の裏付け | 高 |
| 公差・精度 | 要求精度を満たせるか | 高 |
| 納期の目安 | スケジュールに合うか | 中 |
| 認証(ISO等) | 取引の前提条件になることがある | 中 |
「ロット数」は書かれていないことが多い割に、判断に直結します。 試作1個から受けるのか、最低ロットが1,000個からなのかで、 問い合わせるかどうかが決まります。 ここを明記すると、合わない問い合わせが減り、対応工数も下がります。
設備一覧は必ず載せる
保有設備の一覧は、製造業サイトで最も見られるページの一つです。 メーカー名・型式・加工範囲・台数が並んでいるだけで、 読み手は能力を判断できます。
設備名は検索されます。 特定の機械名や工法で検索して発注先を探す動きがあるため、 型式を正確に記載しておくと、そこから流入が生まれます。 画像化せずテキストで書いてください。
技術情報をどこまで出すか
| 出したほうがよい | 出さなくてよい |
|---|---|
| 対応できる加工・材質・サイズ | 具体的な加工条件・工程パラメータ |
| 保有設備と能力 | 顧客の図面・製品仕様 |
| 難易度の高い加工の事例 | 取引価格 |
| 品質管理の体制・検査設備 | 顧客名(許諾が無い場合) |
| 取得している認証 | — |
「何ができるか」を出すことにリスクはほとんどありません。 競合が真似できるのはノウハウであって、 対応範囲の公開はむしろ引き合いを増やします。 情報を出さない会社は、そもそも候補に上がりません。
加工事例を載せる場合は、 顧客が特定されない形にする必要があります。 「自動車部品/アルミ/φ50×200/年間3万個」のように、 加工の内容だけを示せば十分に伝わります。 掲載前に取引先の許諾を確認してください。
採用にも使われる
製造業では、採用面での効果が大きいのが特徴です。 応募者と、その家族が必ずサイトを見ます。
- 工場の中が見える写真(どんな環境で働くのか)
- 社員が写っている写真(年齢層・雰囲気)
- 作っているものが何に使われるか(部品単体では分かりにくい)
- 設備の新しさ(労働環境の判断材料になる)
- 資格取得の支援制度
「何に使われるか」の説明は効果があります。 自社が作っているのが部品の一部でも、 「この部品は◯◯に使われています」と示せると、 応募者にとって仕事の意味が伝わります。
多言語対応の考え方
海外からの引き合いを狙う場合でも、 全ページを翻訳する必要はありません。
- 会社概要(所在地・規模・沿革)
- 対応可能な加工・設備
- 問い合わせフォーム
この3つがあれば、引き合いを受けることはできます。 機械翻訳をそのまま置くのは避けてください。 技術用語の誤訳は、技術力そのものへの不信につながります。 ページ数を絞って、正確に訳すほうが効果的です。
制作会社を選ぶときの確認
- 製造業のサイト制作実績があるか(技術的な内容を扱えるか)
- 工場での撮影経験があるか(安全管理と撮影許可の理解)
- 技術的な原稿を書けるか、または整理を手伝えるか
- 製品点数が増えたときの拡張性
3つめが実務上の分かれ目です。 技術の内容は社内の人しか知りませんが、 それを外部に伝わる形に整理するのは別の技能です。 ヒアリングして原稿の骨子を作れる会社だと、 発注側の負担が大きく減ります。
よくある質問
製造業でホームページは必要ですか?
必要です。購買や技術の担当者は、発注先を探すときにまず検索します。既存の取引先だけで回っている場合でも、<strong>採用と与信</strong>の面で見られます。応募者も取引先も、必ずサイトを確認します。
技術情報をどこまで出すべきですか?
判断が分かれるところですが、<strong>加工可能な範囲と設備は出したほうが問い合わせに繋がります。</strong>ノウハウそのものではなく「何ができるか」を示す情報なので、競合に真似される性質のものではありません。具体的な工程条件や図面は出す必要がありません。
英語版は必要ですか?
海外からの引き合いを狙うなら有効です。ただし機械翻訳をそのまま置くと、技術用語が誤訳されて信用を損ないます。全ページを訳すより、会社概要・設備・対応可能な加工の3ページを正確に訳すほうが実用的です。
価格は載せられません。
製造業では個別見積もりが前提なので問題ありません。その代わり<strong>「対応できる範囲」を具体的に書いてください。</strong>材質・サイズ・公差・ロット数・納期の目安があれば、発注側は自社の案件が合うか判断できます。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。