問い合わせフォームの改善|項目を減らすだけでは増えない
項目を減らすと件数は増えますが、商談にならない問い合わせも増えます。
「アクセスはあるのに問い合わせが来ない」とき、 原因がフォームにあることは少なくありません。
ただし「項目を減らせば増える」という単純な話ではありません。 減らしすぎると、商談にならない問い合わせばかりが増えて、 対応工数だけが膨らみます。
まず通過率を測る
改善の前に、どこで失われているかを特定してください。 フォームの問題なのか、そもそもフォームまで到達していないのかで打ち手が変わります。
| 見る数字 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|
| サイト全体からフォームページへの到達率 | 導線の問題 | 低ければ導線を直す |
| フォーム表示 → 送信完了の通過率 | フォーム自体の問題 | BtoBで20〜40%程度 |
| 送信完了 → 商談化率 | 問い合わせの質 | 低ければ項目が足りない |
通過率が10%を切っているなら、フォームに明確な問題があります。 逆に通過率が高いのに件数が少ないなら、 問題はフォームではなく、そこまでの導線か集客です。
離脱を生む要因
| 要因 | なぜ離脱するか | 対応 |
|---|---|---|
| 項目が多い | 入力の手間で諦める | 営業が本当に使う項目だけにする |
| 必須が多い | 書けない項目で止まる | 必須は最小限にする |
| 入力形式の指定が厳しい | ハイフンの有無などで弾かれる | 受け側で整形する |
| エラーが送信後にまとめて出る | どこが悪いか分からない | 入力中にその場で示す |
| エラーで入力内容が消える | やり直す気力を失う | 入力内容を保持する |
| スマートフォンで押しづらい | 誤タップして進めない | 1カラムにし、余白を取る |
| 個人情報の扱いが不明 | 営業電話を警戒する | 用途を明記する |
「エラーで入力内容が消える」は今でも起こります。 長文の相談内容を書いた後にこれが起きると、まず戻ってきません。 検収時に、わざとエラーを出して内容が保持されるか確認してください。
項目は「営業が最初の返信を書けるか」で決める
項目数の議論は、多い少ないではなく その情報が無いと次に進めないかどうかで判断します。
| 項目 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 会社名 | 必須 | 相手を調べて返信内容を変えられる |
| 氏名 | 必須 | 返信の宛名に必要 |
| メールアドレス | 必須 | 返信手段 |
| 用件・相談内容 | 必須 | これが無いと返信が書けない |
| 電話番号 | 任意 | 必須にすると送信数が明確に減る |
| 予算 | 任意(選択式) | 必須にすると答えられず離脱する |
| 希望時期 | 任意(選択式) | 優先度の判断に使える |
| 部署・役職 | 不要なことが多い | 返信内容が変わらないなら聞かない |
| 住所 | 不要 | 初回接触では使わない |
予算と希望時期は「選択式の任意」が有効です。 自由入力で必須にすると答えられずに離脱しますが、 「50万円未満/50〜150万円/150万円以上/未定」のような選択肢なら 負担が小さく、答えてもらえます。 この2つが分かるだけで、営業側の優先順位付けが大きく変わります。
フォームの前に置くべきもの
BtoBの問い合わせでは、フォームに来る前に不安が解消されているかが 通過率を左右します。
- 返信までの目安(「1営業日以内にご返信します」)
- その後の流れ(いきなり訪問営業されるのではないと分かる)
- 費用が発生しないこと(相談は無料である旨)
- 個人情報の用途(この件の連絡以外に使わない旨)
「送った後どうなるか」が書かれているだけで通過率は変わります。 多くの人は、しつこい営業を受けることを警戒してフォームを閉じます。
問い合わせの手前に段階を作る
「相場を調べていた人」が、その場で問い合わせまで進むことは稀です。 距離が遠すぎる場合は、間の段階を用意します。
| 段階 | 受け皿 | 心理的な距離 |
|---|---|---|
| 情報収集中 | 資料ダウンロード・チェックリスト | 近い |
| 比較検討中 | 簡易見積もり・事例集 | 中 |
| 依頼先を絞った | 問い合わせ・相談予約 | 遠い |
いきなり一番遠いものだけを置いているサイトが大半です。 情報収集の段階にいる人向けの受け皿を1つ用意するだけで、 接点の数は明確に増えます。
公開後に確認すること
- 実際に送信して届くか(迷惑メールフォルダも確認する)
- 自動返信が送信者に届くか
- スマートフォンで最後まで入力できるか
- エラー時に入力内容が保持されるか
- 通過率を毎月記録する
フォームは公開後に壊れることがあります。 サーバー移転、プラグイン更新、担当者の退職によるメールアドレス失効など、 原因はいくつもあります。年に2回は自分の手でテスト送信してください。
よくある質問
入力項目は少ないほどよいですか?
一概には言えません。項目を減らせば送信数は増えますが、情報が足りず商談にならない問い合わせも増えます。BtoBでは「会社名・氏名・メール・用件」の4つが下限で、ここから増やすかどうかは、営業が最初の返信を書くのに何が必要かで決めてください。
電話番号は必須にすべきですか?
必須にすると送信数は明確に減ります。電話でのやり取りが商談の前提なら必須、まずメールで接点を持てればよいなら任意にしてください。任意にしても、本気度の高い人は入力します。
入力途中で離脱しているか確認できますか?
できます。フォームページの表示数と送信完了数を比べれば通過率が分かります。さらに項目ごとの離脱を見たい場合は、入力開始と送信完了をそれぞれ計測するように設定します。まずは通過率だけでも把握してください。
確認画面は必要ですか?
BtoBでは入れることが多いですが、必須ではありません。1画面増えるぶん離脱も増えます。入力内容の誤りが実務上の問題になる場合(見積もり依頼など)は入れ、単純な問い合わせなら省いても構いません。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。