税理士の選び方|相性より先に見るべきこと
料金より、連絡の取りやすさで満足度が決まります。
税理士選びで満足度を分けるのは、料金でも知名度でもなく 聞きたいときに聞けるかどうかです。 決算前や資金繰りが厳しいときに連絡が取れない事務所は、 どれだけ安くても意味がありません。
事務所のタイプ
| タイプ | 特徴 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 個人事務所(税理士1名) | 所長が直接対応。小回りが利く | 小規模。所長と合えば長く続く |
| 中堅事務所(5〜20名) | 職員が担当。所長は要所で登場 | 一般的な中小企業 |
| 大規模・税理士法人 | 分野ごとに専門家がいる。体制が安定 | 組織再編、国際取引、上場準備 |
| クラウド特化 | freee・マネーフォワード前提。オンライン完結 | ITに抵抗がない。訪問が不要 |
| 特化型(医療・不動産・建設など) | その業種の慣行と税務に詳しい | 業界特有の処理が多い会社 |
面談に来たのが所長でも、実際の担当は職員というのはよくあることです。 それ自体は問題ありませんが、 誰が毎月見るのか、その人と一度会えるかを聞いてください。 担当者が頻繁に代わる事務所は、そのたびに自社の事情を説明し直すことになります。
面談で聞く4つ
| 質問 | 望ましい答え | 注意が要る答え |
|---|---|---|
| 担当は誰ですか | 担当者名を挙げ、同席させてくれる | 「決まっていない」「その都度」 |
| 連絡手段と返信の目安は | 「メールなら1営業日以内」など具体的 | 「なるべく早く」 |
| 料金に含まれる範囲は | 記帳・給与計算・年末調整の有無を明示 | 「だいたい込みです」 |
| 同業種の顧問先は何社 | 件数と、業種特有の論点を挙げられる | 「幅広く対応しています」 |
業種の経験が効く場合
- 建設業:工事進行基準、外注費と給与の区分、建設業許可の決算報告
- 医療・クリニック:保険診療と自由診療、事業承継、医療法人化の判断
- 飲食業:現金管理、軽減税率、人件費比率の見方
- 不動産:物件の取得と売却の時期、減価償却、消費税の還付
- IT・受託開発:ソフトウェアの資産計上、研究開発税制、業務委託の扱い
- EC・小売:在庫評価、プラットフォーム手数料、越境取引の消費税
該当する業種があるなら、その論点を面談で振ってみてください。 経験があれば具体的な話が返り、なければ一般論になります。
・料金表を出さない(あとから追加請求が起きやすい)
・節税を強調しすぎる(税務調査で否認されるとかえって高くつく)
・質問への返答が遅い(契約前が最も丁寧なはず。それで遅いなら契約後はもっと遅い)
・会計ソフトを指定してくる理由が説明できない(事務所の都合だけの場合がある)
・他の顧問先の具体的な情報を話す(自社の情報も他所で話される)
複数の事務所を比べる
2〜3か所と面談するのが現実的です。同じ資料(決算書2期分、試算表)を見せて、 同じ質問をしてください。返ってくる内容の差が、そのまま実力と姿勢の差になります。
- 決算書を見て、その場で気づいた点を指摘してくれるか
- こちらの事業内容を理解しようと質問してくるか
- できないことを「できない」と言うか
よくある質問
税理士は何を基準に選べばよいですか?
<strong>連絡の取りやすさ</strong>が最も満足度に効きます。次に自社の業種の経験、料金体系の明確さです。「安いから」で選んで、決算前に連絡が取れず困るというのが最も多い失敗です。
若い税理士とベテラン、どちらがよいですか?
年齢よりも、クラウド会計に対応しているか、チャットやメールで気軽にやり取りできるか、自社の業種を扱った経験があるか、で判断してください。長く付き合うなら、自分より若い方が引き継ぎの心配は少なくなります。
面談では何を聞けばよいですか?
「担当は誰か(有資格者か職員か)」「連絡手段と返信の目安」「料金に含まれる範囲と、別料金になるもの」「同業種の顧問先が何社あるか」の4つです。ここが曖昧な事務所は、契約後も曖昧なままです。
地元の税理士でなくても大丈夫ですか?
問題ありません。クラウド会計とオンライン面談で完結する事務所が増えています。ただし税務調査の立ち会いは現地に来てもらうことになるため、遠方の場合は交通費の扱いを確認してください。
まとめ
- 満足度を分けるのは料金ではなく 連絡の取りやすさ。
- 「担当は誰か」を確認し、その人と一度会う。
- 自社の業種特有の論点を振ってみると、経験の有無がすぐ分かる。
- 節税を強調しすぎる事務所は、税務調査で否認されるリスクを負うことになる。
料金の相場は 税理士の顧問料の相場、 変更を考えている場合は 税理士の変更 を参照してください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。