税理士の変更|タイミングと引き継ぎの手順
変更するなら決算後です。期の途中だと二重に費用がかかります。
税理士の変更は、タイミングと引き継ぎの手順さえ押さえれば難しくありません。 問題が起きるのは、期の途中で変えたときと、 書類を返してもらえなかったときです。
変更を考える理由と、その前に
| よくある不満 | 変更前に確認できること |
|---|---|
| 連絡しても返事が来ない | 担当者の変更を依頼できないか(事務所は変えずに済む) |
| 節税の提案がない | そもそも顧問料の範囲に入っているか。別料金の相談かもしれない |
| 料金が高い | 訪問頻度を下げる、記帳を自社で行うなど、条件変更の余地がないか |
| クラウド会計に対応しない | 事務所として方針が決まっている場合は変更が早い |
| 高齢で引退が近い | 後継者がいるか。事務所として引き継げるか |
期の途中で変えると、
前任には途中までの顧問料、後任には期首からのやり直し分がかかり、
1年分の費用を二重に払うことになりがちです。
決算・申告が終わってから切り替えれば、この重複はありません。
次の税理士を探し始めるのは、決算の1〜2か月前が目安です。
手順
| 順番 | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 新しい税理士を決める | 先に決めてから解約する。空白期間を作らない |
| 2 | 契約書で解約条件を確認 | 予告期間(1〜3か月前)と、中途解約時の精算 |
| 3 | 現在の税理士へ連絡 | 理由は簡潔で構わない。書面かメールで残す |
| 4 | 書類とデータの返却を依頼 | 下のリストを渡して漏れを防ぐ |
| 5 | 税務代理権限証書の解除 | 新しい税理士が税務署へ提出し直す |
| 6 | 会計データの引き継ぎ | ソフトが違う場合はCSVで出力してもらう |
返してもらう書類
- 決算書・申告書の控え(過去3〜5年分。融資や補助金の申請で必要になる)
- 総勘定元帳・仕訳帳(法定保存年数は7年)
- 固定資産台帳(減価償却の続きに必要)
- 預けている原本(領収書、請求書、契約書)
- 会計データ(バックアップファイル、またはCSV)
- 年末調整・給与関係の書類(扶養控除等申告書など)
自社の帳簿と原本は自社の財産です。 会計ソフトが事務所名義の場合、ソフトのデータそのものは渡せなくても、 元帳や仕訳のCSV出力は求められます。 それも拒まれる場合は、税理士会の相談窓口に問い合わせるという方法があります。 引き継ぎを円滑にするためにも、解約の連絡は感情的にならず事務的に伝えてください。
新しい税理士に渡すもの
- 直近3期分の決算書・申告書
- 今期の試算表と会計データ
- 固定資産台帳
- 従業員名簿と給与の情報
- 借入金の残高と返済予定表
- 前任とのやり取りで気になっていた点(引き継ぎたい論点)
よくある質問
税理士を変えるベストなタイミングはいつですか?
<strong>決算・申告が終わった直後</strong>です。期の途中で変えると、前任と後任の両方に費用がかかり、引き継ぎの手間も増えます。決算後なら、次の期を新しい税理士で丸ごと見てもらえます。
今の税理士に不満があると言いにくいのですが。
理由を細かく説明する義務はありません。「社内の方針で見直すことになりました」で十分です。契約書に解約の予告期間(1〜3か月前)が定められていることが多いので、そこだけ確認してください。
返してもらう書類は何ですか?
決算書と申告書の控え(過去3〜5年分)、総勘定元帳、仕訳帳、固定資産台帳、預かっている領収書や請求書の原本、会計データ(可能ならバックアップファイル)です。<strong>原本は自社の財産</strong>なので、必ず返却を求めてください。
変更したら税務調査が入りやすくなりますか?
そのようなことはありません。税理士の変更自体が調査の対象になることはなく、申告内容と業績の推移で判断されます。むしろ書面添付制度に対応する事務所に変えると、調査の確率は下がる方向に働きます。
まとめ
- 変更は決算・申告の直後。期の途中だと費用が二重にかかる。
- 解約の前に、新しい税理士を決めておく。
- 帳簿と原本は自社の財産。返却リストを渡して漏れを防ぐ。
- 不満の内容によっては、担当者の変更や条件見直しで解決することもある。
次の事務所の選び方は 税理士の選び方 にまとめています。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。