自社配送か外注か|判断の分かれ目
車両1台の維持費は年200万円超。稼働率が6割を切ると外注が安くなります。
自社でトラックを持つか、運送会社に任せるか。 判断を分けるのは 稼働率 と 配送が顧客接点かどうか です。 費用だけで決めると、営業上の強みを手放すことがあります。
自社配送のコスト(4t車1台・年間)
| 項目 | 年額の目安 |
|---|---|
| 車両(減価償却・リース料) | 60万〜120万円 |
| 自動車税・重量税・自賠責 | 10万〜15万円 |
| 任意保険 | 20万〜40万円 |
| 車検・整備・タイヤ | 20万〜50万円 |
| 燃料費 | 60万〜150万円 |
| 高速代・駐車場 | 20万〜60万円 |
| 車両の小計 | 190万〜435万円 |
| ドライバー人件費(社会保険料込み) | 400万〜550万円 |
| 合計 | 590万〜985万円 |
※ 走行距離と地域で大きく変わります。営業所や車庫の費用は含んでいません。
自社便の年間コストを 700万円、稼働を月20日とすると、
1日あたり約2.9万円。
これは4t車の近距離チャーター(3万〜5万円)と同水準です。
毎日フルに走らせて初めて釣り合う計算なので、
週に2日以上空く(稼働率6割以下)なら外注が安くなります。
逆に、毎日決まったルートを回る配送があるなら自社便が有利です。
費用に表れない要素
| 観点 | 自社配送 | 外注 |
|---|---|---|
| 顧客接点 | 自社の人間が届ける。現場の情報が入る | 他社の人が届ける。対応品質は相手次第 |
| 緊急対応 | すぐ動ける | 手配に時間がかかる |
| 波動 | 繁忙期に足りない/閑散期に余る | 必要な分だけ使える |
| ドライバーの採用 | 年々難しくなっている | 不要 |
| 事故のリスク | 自社が負う。保険料も上がる | 運送会社が負う |
| 法令対応 | 労働時間の管理、点呼、日報が必要 | 不要 |
ドライバーを雇う以上、時間外労働の上限(年960時間)と
拘束時間の管理は自社の責任になります。
点呼、運転日報、健康診断、アルコールチェックも義務です。
「配送は片手間」で回していた会社ほど、
この管理コストが重くのしかかっています。
組み合わせるのが実際的
- 定期・近距離は自社便:毎日決まったルート。稼働率を保てる
- スポット・遠距離は外注:波動を吸収できる
- 繁忙期だけ増車:自社で持たずにチャーターで対応
- 顧客接点が重要な配送だけ自社:設置・据付を伴う、現場で説明が要る
切り替えるときの手順
- ルートごとの実績(距離・件数・所要時間)を1か月分集計する
- 外注した場合の見積もりを、同じ条件で3社から取る
- 自社便の実コスト(上表)と比較する
- 顧客接点が重要なルートを切り分ける
- まず1ルートだけ外注して、品質を確かめる
よくある質問
トラック1台の維持費はいくらですか?
4t車で<strong>年 200万〜300万円</strong>です。内訳は車両の減価償却(年60万〜100万円)、自動車税・重量税、任意保険(年20万〜40万円)、車検・整備(年20万〜50万円)、燃料費など。これにドライバーの人件費 年400万〜550万円が加わります。
何%の稼働率で外注のほうが安くなりますか?
<strong>6割</strong>が目安です。自社の固定費は走っても走らなくてもかかるため、車が空いている日が週に2日以上あるなら、その分は外注のほうが安く済みます。
自社便の利点は何ですか?
<strong>自社の看板で届けられる</strong>ことです。納品先での対応、緊急の追加配送、現場での情報収集は自社便の強みです。配送そのものが顧客接点になる業種では、費用だけで判断できません。
両方を組み合わせられますか?
一般的な形です。<strong>定期・近距離を自社便、スポット・遠距離を外注</strong>にすると、車両の稼働率を保ちながら波動を吸収できます。繁忙期だけ外注を増やす運用も可能です。
まとめ
- 4t車1台の年間コストは590万〜985万円(人件費込み)。
- 稼働率6割が分かれ目。週2日以上空くなら外注が安い。
- 配送が顧客接点になる業種は、費用だけで判断しない。
- 定期・近距離は自社、スポット・遠距離は外注という組み合わせが実際的。
外注する場合の相場は トラック輸送の運賃相場、 会社の選び方は 物流会社の選び方 を参照してください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。