2024年問題への対応|物流が止まらないために
荷主が動かないと運べなくなります。待機時間の削減が最も効きます。
2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用されました。 運送会社だけの問題ではなく、 荷主が動かないと荷物が運べなくなる構造になっています。
何が変わったか
| 項目 | 変更点 | 影響 |
|---|---|---|
| 時間外労働の上限 | 年960時間 | 1人あたりの走行距離が減る |
| 拘束時間 | 1日原則13時間、上限15時間 | 長距離の日帰り運行が難しくなる |
| 休息期間 | 継続11時間を基本、9時間下限 | 連続運行の制約 |
| 運転時間 | 2日平均で1日9時間まで | 中継輸送の必要性 |
片道500kmを超える運行は、これまで1人で日帰りしていたものが
2日がかり、または2人で中継する形になりました。
その分、運賃も日数も増えます。
「翌日必着」を前提にしていた取引は、
リードタイムの見直しが必要になっています。
荷主にできること
| 対応 | 効果 | 難易度 |
|---|---|---|
| 待機時間の削減(予約制) | 大。1回2時間の待機が消える | 中 |
| パレット化・機械荷役 | 大。手積み手降ろしの時間が消える | 中〜高 |
| リードタイムの延長 | 大。翌日必着を翌々日にするだけで選択肢が増える | 低(社内調整) |
| 納品時間の指定を緩める | 中。「午前必着」を「当日中」に | 低 |
| 発注ロットをまとめる | 中。小口多頻度を減らす | 中 |
| モーダルシフト(鉄道・船) | 中〜大。長距離幹線に有効 | 高 |
| 適正な運賃の支払い | 大。車を確保しやすくなる | — |
荷待ちは、ドライバーの労働時間を消費するのに
誰の利益にもなっていない時間です。
・入荷の予約枠を設ける(時間帯ごとに受け入れ台数を決める)
・パレット単位で受け渡す(手降ろしをやめる)
・検品を後回しにして先に車を帰す
このどれかを実施するだけで、運送会社にとっての「行きやすい荷主」になり、
繁忙期でも車を回してもらいやすくなります。
荷主が問われる場合
無理な運行を強いた荷主に対して、国土交通大臣による 「働きかけ」「要請」「勧告・公表」の制度があります。 該当しうるのは次のような行為です。
- 長時間の荷待ちを常態化させる
- 法令を守った運行では間に合わない納期を指定する
- 運送契約にない荷役作業を無償で求める
- 正当な理由なく運賃の引き上げに応じない
これから起きること
- 運賃は上がり続ける:人件費と燃料費の上昇が続く限り、据え置きは難しい
- 選ばれる荷主が有利になる:荷待ちがなく、パレット化されている荷主に車が集まる
- 共同配送が増える:同業他社と積み合わせて積載率を上げる動き
- 中継輸送・モーダルシフトの定着:長距離は鉄道・船との組み合わせが標準に
よくある質問
2024年問題とは何ですか?
トラックドライバーの時間外労働に<strong>年960時間の上限</strong>が適用されたことによる影響の総称です。1人が走れる距離と時間が減るため、同じ荷物を運ぶのに、より多くの車と人が要るようになりました。
荷主にできることはありますか?
あります。最も効くのが<strong>待機時間の削減</strong>です。荷積み・荷降ろしの待ち時間が2時間あると、その分ドライバーの労働時間を消費します。予約制の導入、パレット化、リードタイムの延長で改善できます。
運賃は上がりますか?
上がっています。国土交通省が「標準的な運賃」を告示し、2024年には水準が引き上げられました。燃料費と人件費の上昇分を運賃に反映する動きが続いています。
荷主が法令違反に問われることはありますか?
あります。長時間の荷待ちや無理な運行を強いた荷主に対して、国土交通大臣が<strong>勧告・公表</strong>を行う制度があります。「知らなかった」では済まされない領域になっています。
まとめ
- 年960時間の上限で、1人が走れる距離が減った。長距離ほど影響が大きい。
- 荷主にできることで最も効くのは待機時間の削減。
- リードタイムを1日延ばすだけで、選べる運送会社が増える。
- 無理な運行を強いた荷主は、勧告・公表の対象になりうる。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。