3PL(物流アウトソーシング)の費用と選び方
固定費を持たずに済む一方、月間の出荷数が少ないと割高になります。
3PL は、物流業務をまとめて外部に任せる形です。 倉庫や配送を個別に頼むのと違い、 在庫の持ち方や配送方法の設計まで含めて相談できます。 そのぶん、切り替えには手間と時間がかかります。
費用の構成
| 区分 | 項目 | 目安 |
|---|---|---|
| 初期費用 | システム連携・マスタ登録 | 10万〜100万円 |
| 在庫の移送 | 実費(トラック数台分) | |
| 棚・資材の準備 | 10万〜50万円 | |
| 固定費(月) | システム利用料 | 3万〜15万円 |
| 最低保証料 | 月 5万〜30万円 | |
| 変動費(月) | 保管料 | 坪 4,000〜8,000円 または個建て |
| 入出庫作業料 | 1件 100〜500円 | |
| 梱包資材 | 実費 | |
| 配送料 | 1件 400〜900円 |
自社で回す場合の固定費(倉庫賃料 30万 + 人件費3名 90万 + システム 10万 = 月130万円)は、
出荷が少ない月も変わりません。
3PL は固定費 20万+変動費なので、
出荷が減れば費用も下がります。
出荷量の変動が大きい、
人を安定して採れない、
繁忙期だけ人手が要る——このどれかに当てはまるなら 3PL が向きます。
任せられる範囲
- 保管:入庫、棚入れ、在庫管理
- 出荷:受注データの取り込み、ピッキング、梱包、送り状の発行
- 流通加工:ラベル貼り、セット組み、ギフト包装、値札付け
- 返品処理:受け取り、検品、再販可否の判断
- 配送手配:運送会社の選定、運賃の交渉
- 在庫の可視化:Web 画面での在庫確認、出荷実績のレポート
選ぶときに見る点
| 項目 | なぜ見るか |
|---|---|
| 自社システムとの連携 | 受注データを手作業で渡すと、そこがボトルネックになる |
| 取扱いの経験 | アパレル・食品・医薬品などで必要な設備と手順が違う |
| 波動への対応 | 繁忙期に出荷量が3倍になっても回るか。人員をどう確保するか |
| 拠点の場所 | 配送先に近いほど運賃と日数が下がる |
| 誤出荷率 | 実績値を聞く。0.01%(1万件に1件)以下が一つの目安 |
| 当日出荷の締め時刻 | 自社が顧客に約束する時刻に直結する |
3PL の乗り換えは、システム連携の設計、マスタ登録、在庫の移送、
テスト出荷を経て本稼働します。
着手から本稼働まで3〜6か月が普通です。
現在の契約に解約予告(3〜6か月前)があると、
そこからさらに時間がかかります。
不満があるなら、早めに動き出してください。
よくある質問
3PL とは何ですか?
荷主でも運送会社でもない第三者が、<strong>物流業務を一括して請け負う</strong>形態です。保管・入出庫・流通加工・配送に加えて、在庫管理や配送手配の設計まで含めて任せられます。倉庫だけ、配送だけを頼むのとは範囲が違います。
費用はどれくらいですか?
固定費(システム利用料・最低保証料)が月 5万〜30万円、これに保管料と作業料が変動費として乗ります。月間出荷 1,000件規模で <strong>月 50万〜150万円</strong>が目安です。出荷が少ない月でも最低保証料はかかります。
自社物流と比べていつ得になりますか?
自社で倉庫を借り、人を雇い、システムを入れると月 100万〜200万円の固定費がかかります。出荷量が変動する、または人の採用が難しい場合は、<strong>固定費を持たずに済む3PLが有利</strong>になります。
契約期間はどれくらいですか?
1〜3年が一般的で、初期の構築費用を回収する前提で設定されます。解約予告は3〜6か月前が多く、<strong>切り替えには半年ほどかかる</strong>と考えてください。在庫の移送費も発生します。
まとめ
- 費用は固定費 + 変動費。月1,000件規模で 50万〜150万円。
- 自社物流の固定費(月100万〜200万円)と比べる。出荷が変動するなら 3PL が有利。
- システム連携と当日出荷の締め時刻が、実務では最も効く。
- 切り替えには3〜6か月。解約予告も含めると半年以上を見る。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。