卸売の取引口座を開く|与信審査と支払条件
発注の前に、掛けで買えるかどうかの審査があります。
卸売会社との取引は、注文を出す前に 掛けで買える相手かどうかの審査があります。 ここを飛ばして「明日から仕入れたい」は通りません。 日数を見込んで動いてください。
取引開始までの流れ
| 手順 | 内容 | 日数の目安 |
|---|---|---|
| ① 問い合わせ・面談 | 扱う商材、必要量、納入場所を伝える | 即日〜1週 |
| ② 取引申込書の提出 | 会社情報、代表者、取引希望条件を記入 | 1〜3日 |
| ③ 必要書類の提出 | 登記事項証明書、決算書、印鑑証明など | 1週 |
| ④ 与信審査 | 限度額と支払条件を決める | 1〜3週 |
| ⑤ 契約・口座開設 | 取引基本契約書を締結。コードが発行される | 1週 |
| ⑥ 初回発注 | 限度額の範囲で発注できる | — |
※ ②〜⑤で3〜6週かかるのが普通です。 新規事業の立ち上げでは、仕入れ先の口座開設を最初に着手してください。
用意する書類
| 書類 | 目的 |
|---|---|
| 登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 法人の実在と代表者の確認 |
| 決算書(2〜3期分) | 支払能力の判断 |
| 会社案内・事業内容が分かる資料 | 取扱商材との整合 |
| 印鑑証明書 | 契約書の押印の確認 |
| 許認可の写し | 酒類・医薬品・毒劇物など、免許が要る商材の場合 |
| 代表者の身分証 | 本人確認 |
決まる条件
| 条件 | 意味 |
|---|---|
| 与信限度額 | 未払い残高の上限。超えると出荷が止まる |
| 締め日・支払日 | いつまでの分を、いつ払うか |
| 支払方法 | 振込、手形、でんさい。手形なら期日も条件のうち |
| 最低発注金額 | 下回ると送料が発生する、または受け付けない |
| 納入条件 | 持ち込みか、車上渡しか、指定場所渡しか |
| 返品の可否 | 買い切りか、不良品以外も返せるか |
与信限度額は「未払い残高の上限」であって、
月々の発注上限ではありません。
限度額100万円、支払サイトが翌月末なら、
支払い前の残高が100万円に達した時点で追加の出荷が止まります。
繁忙期に発注が集中すると、
払っているのに枠が足りないという状態が起こります。
季節変動がある商売なら、繁忙期の前に増枠を相談しておいてください。
実績があれば通ります。
創業まもない場合
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 現金取引から始める | 都度払い・前払いで仕入れる | 資金が先に出ていく |
| 保証金を入れる | 限度額の1〜3か月分を預ける | まとまった資金が要る |
| 代表者の連帯保証 | 個人保証を付けて与信を補う | 個人の責任が残る |
| 二次卸・販売店を通す | すでに口座を持つ会社から買う | 単価は上がる |
| 少額から実績を作る | 半年〜1年で本口座に切り替える | 遅延は絶対に避ける |
※ 一度でも支払いを遅らせると、与信は下がり出荷条件も厳しくなります。 資金繰りが厳しいときは、遅れる前に相談してください。 黙って遅らせるのが最も心証を損ないます。
よくある質問
「取引口座を開く」とはどういう意味ですか?
銀行口座のことではありません。<strong>卸売会社の中に自社の取引先コードを登録してもらい、掛け(後払い)で仕入れられる状態にすること</strong>を指します。与信審査を経て、限度額と支払条件が決まります。口座が開くまでは現金取引か前払いになるのが一般的です。
審査ではどこを見られますか?
<strong>支払能力と、事業の実体があるか</strong>の2点です。決算書(2〜3期分)、登記事項証明書、代表者の情報、店舗や事務所の実在、既存の取引先などから判断されます。信用調査会社の情報が参照されることもあります。創業まもない場合は決算書がないため、事業計画や自己資金の状況で見られます。
支払サイトはどのくらいですか?
<strong>月末締め翌月末払い</strong>が最も多く、業界によっては翌々月末や、20日締め翌月10日払いなどもあります。仕入れてから支払うまでの期間が長いほど資金繰りは楽ですが、そのぶん相手の与信負担が増えるため、<strong>単価と支払サイトはトレードオフ</strong>になります。短く払う代わりに価格を下げてもらう交渉は成立します。
口座を開けないときはどうすればよいですか?
選択肢は3つあります。<strong>①現金取引・前払いで始めて実績を作る</strong>、<strong>②保証金を入れる</strong>、<strong>③二次卸や販売店を経由する</strong>です。②は限度額の1〜3か月分を預ける形が多く、実績ができれば返金されます。③は単価が上がりますが、すぐ始められます。半年〜1年の取引実績があれば、改めて申し込むと通ることがあります。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。