食品卸の掛け率と最低発注金額|配送条件の決まり方
単価の安さより、頼んだ翌日に届くかどうかで決まる世界です。
食品の仕入れは、単価の安さより 頼んだものが必要な日に、必要な温度で届くかで決まります。 ここでは業務用の食品卸と取引するときの条件を整理します。
仕入れ先の種類
| 仕入れ先 | 向いている品目 | 条件の特徴 |
|---|---|---|
| 業務用総合卸 | 冷凍食品、調味料、乾物、酒類 | 1社でほぼ揃う。定期配送 |
| 専門卸(青果・鮮魚・精肉) | 生鮮 | 目利きが効く。相場で日々動く |
| 市場(卸売市場の仲卸) | 青果・鮮魚 | 安いが自分で引き取る前提 |
| 産直・生産者直取引 | 看板になる食材 | 単価は下がるが欠品リスクを負う |
| メーカー直取引 | 大量に使う定番品 | ロットが大きい。保管場所が要る |
| 業務用スーパー | 少量・緊急 | 単価は高いが即日 |
取引条件で見るところ
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 最低発注金額 | 下回ったときに送料がかかるか、配達されないか |
| 配送頻度と締め時間 | 「前日◯時までの注文で翌日納品」が守れるか |
| 温度帯 | 常温・チルド・冷凍を同じ便で運べるか |
| 欠品時の連絡 | 代替品を提案してくれるか、黙って抜けるか |
| 返品・クレーム対応 | 品質不良のときの処理と再納品の速さ |
| 支払条件 | 月末締め翌月末払いが一般的。現金取引が条件のこともある |
※ 締め時間は実務に直結します。「当日の営業を見てから発注したい」なら、 夕方まで受け付ける卸を選ばないと運用が回りません。
原価率から逆算する
食材原価率は30%前後が一般的な目安です。
売価1,000円の料理なら食材費は300円まで。
ここにロス(仕込みで出る廃棄、売れ残り)が乗ります。
生鮮の比率が高い店ほどロスが出やすく、
仕入れ単価が同じでも実質原価は上がります。
卸を比べるときは、単価だけでなく
小分けで頼めるか(=ロスを減らせるか)も見てください。
単価が数%高くても、捨てる量が減れば総額は下がります。
価格が動く要因
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| 天候・不漁・不作 | 青果・鮮魚は週単位で倍近く動く |
| 為替と輸入コスト | 輸入牛肉、水産物、小麦、油脂に効く |
| 燃料価格 | 配送費として全品目に薄く乗る |
| 季節(年末・行楽期) | 需要が集中する品目は上がる |
| 規格の指定(産地・等級・カット) | 細かく指定するほど上がる |
※ 生鮮は「相場」で動くため、年間固定価格での契約はほぼできません。 一方で冷凍・加工品は数量を約束すれば価格を固定できることがあります。
よくある質問
業務用食品卸の最低発注金額はいくらですか?
<strong>1回あたり1万〜3万円</strong>を下限に設定している会社が多く、下回ると配送料が別途かかるか、そもそも配達してもらえません。地域と配送頻度によっても変わり、配送ルートから外れた立地では下限が上がります。週2回の配送で下限に届かない場合は、週1回にまとめて1回あたりの金額を上げるほうが条件は良くなります。
飲食店ですが、どこから仕入れるのが安いですか?
品目によって答えが変わります。<strong>定番の乾物・調味料・冷凍食品は業務用卸</strong>、<strong>青果・鮮魚は市場や産直</strong>、<strong>少量で急に必要なものは業務用スーパー</strong>という使い分けが一般的です。1社に集約すると配送はまとまりますが、得意でない品目まで割高で買うことになります。まず品目を分類してから仕入れ先を割り当ててください。
産直(生産者からの直接仕入れ)は安くなりますか?
中間のマージンが減るぶん単価は下がりますが、<strong>配送、規格外の扱い、欠品時の代替が自社の負担</strong>になります。産地の天候で入荷が止まったときに、代わりを見つけるのは自分の仕事です。看板になる食材だけを産直にして、欠かせない定番は卸から確保しておく組み合わせが現実的です。
掛け率はどのくらいですか?
業務用の食品卸では<strong>粗利10〜20%</strong>の水準で回っており、他の業種と比べて薄い商売です。このため掛け率そのものの交渉余地は限られ、<strong>配送頻度を減らす、発注をまとめる、支払サイトを短くする</strong>など卸側のコストを下げる提案のほうが効きます。年間の取引額が読める相手には条件を出しやすくなります。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。