広告代理店との契約|確認すべき9項目
揉めるのは、たいてい契約書に書いていない部分です。
広告の発注で揉めるのは、たいてい契約書に書いていない部分です。 「当然そうなると思っていた」が食い違います。 金額の交渉より先に、次の9項目を確認してください。
確認すべき9項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1. 制作物の権利 | 著作権は譲渡か使用許諾か。二次利用の範囲 |
| 2. 広告アカウント | 名義と、解約時の移管の可否 |
| 3. 業務範囲 | どこまでが料金内か。レポートは含むか |
| 4. 修正の回数 | 何回まで無償か。それを超えたらいくらか |
| 5. 解約予告 | 何か月前の通知が必要か。違約金の有無 |
| 6. 支払条件 | 締め日、支払期日、媒体費の立替の有無 |
| 7. 再委託 | 下請けに出すか。出す場合の責任の所在 |
| 8. 競合排除 | 同業他社を担当するか。担当チームは分けるか |
| 9. 検収 | 何をもって完了とするか。検収期間は何日か |
特に見落としやすい3つ
CM用に撮影した写真を、Webサイトや店頭POPでも使いたい—— これは別の契約が要ることがあります。 タレントやモデルを起用した場合は特に厳格で、 媒体・期間・地域ごとに使用料が発生します。 最初に「どこで使う予定か」をすべて伝えて見積もりを取ってください。
枠を押さえた時点で費用が確定する媒体があります。 出稿を取りやめてもキャンセル料が発生するため、 「いつまでなら無償で止められるか」を媒体ごとに確認してください。 交通広告やテレビの枠は、この期限が早い傾向があります。
提案時のチームと実行時のチームが違うことがあります。 「この人だから頼んだ」という場合は、 担当者を契約書に明記するか、 変更時に事前通知を求める条項を入れてください。
下請法にも注意
発注者側が資本金1,000万円を超え、受注者が下回る場合、 下請代金支払遅延等防止法の対象になることがあります。 発注書の交付、支払期日(受領後60日以内)、 不当なやり直しの禁止などが義務づけられます。 制作会社に直接発注するときは、自社が親事業者に当たらないか確認してください。
よくある質問
制作物の権利は誰のものになりますか?
契約で決めていなければ、<strong>著作権は制作した側(代理店・制作会社)に残る</strong>のが原則です。ロゴ、キャラクター、撮影素材、CM映像を契約終了後も使いたいなら、<strong>著作権の譲渡</strong>を明記してもらってください。譲渡ではなく「使用許諾」の場合、使える範囲と期間が限定されます。なお著作者人格権は譲渡できないため、「行使しない」という条項を入れるのが実務上の扱いです。
広告アカウントは誰の名義にすべきですか?
<strong>自社名義</strong>です。Google広告やMeta広告のアカウントを代理店名義で作られると、解約時に配信データと学習が引き継げません。実務では代理店名義が一般的なので、契約書に「解約時にアカウントの管理権限を移管する」と書いておくのが現実的な落としどころです。
解約はいつでもできますか?
<strong>解約予告期間</strong>が定められているのが普通です。1〜3か月前の予告を求める契約が多く、年間契約なら中途解約時の違約金が設定されていることもあります。また媒体の枠は先に押さえているため、<strong>出稿を止めても媒体費が発生する</strong>ことがあります。どの時点で費用が確定するかを確認してください。
競合他社の担当も同じ代理店がしていたら問題ですか?
広告業界では<strong>一社専属が原則ではありません</strong>。大手代理店は同業を複数担当することがあります。気になる場合は<strong>競合排除条項</strong>を入れることになりますが、代理店側の制約が大きいため、対価や条件の交渉が必要です。最低限、担当チームを分けること、情報を共有しないことを確認しておいてください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。