金型製作の費用相場|構造・材質・寿命で変わる金額
金型は「安く作る」より「何個作るか」で選ぶものです。
金型は「安く作る」より「何個作るか」で選ぶものです。 同じ形状でも、1万個で使い捨てる前提と 50万個打つ前提では、 選ぶ材質も構造も金額も変わります。
プラスチック射出成形用の金型
| 規模 | 費用の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 簡易型(試作用) | 20万〜80万円 | アルミやZAS製。数百〜数千ショット。形状確認や少量生産向け |
| 小型・1個取り | 50万〜150万円 | 手のひらサイズ。単純な形状でスライドなし |
| 中型・複数個取り | 150万〜400万円 | 2〜4個取り。アンダーカット処理あり |
| 大型・多数個取り | 400万〜1,000万円 | 8個取り以上、複雑なスライド機構、ホットランナー |
1回の成形で何個できるかを「キャビ数」と言います。 4個取りにすると型代は 1個取りの 2〜3倍になりますが、成形単価は 4分の1近くになります。 月に何個必要かが決まっていれば、型代と成形単価の合計で比べて選べます。 年間の必要数を先に伝えると、適切なキャビ数を提案してもらえます。
プレス金型
| 型の種類 | 費用の目安 | 向いている生産 |
|---|---|---|
| 単発型 | 30万〜100万円 | 工程ごとに人が入れ替える。数百〜数千個 |
| 複合型 | 80万〜300万円 | 1工程で複数の加工。数千〜数万個 |
| 順送型(プログレッシブ) | 200万〜1,000万円 | 材料を送りながら連続加工。数万〜数百万個 |
金型の費用が変わる条件
| 条件 | 費用への影響 |
|---|---|
| アンダーカット(横方向の穴・突起) | スライド機構が要る。1か所ごとに 10万〜50万円増 |
| キャビ数を増やす | 2個取りで 1.6〜2倍、4個取りで 2.5〜3倍 |
| 型の材質 | 簡易型 → 本型 → 焼入れ鋼 の順に高くなり、寿命は延びる |
| ホットランナー | 50万〜200万円増。材料ロスが減り、成形時間も短くなる |
| 鏡面・シボ加工 | 表面処理として 5万〜30万円 |
| 公差の厳しさ | 磨きと修正の工数が増える |
初期費用を抑える方法
- まず簡易型で作る:形状と使い勝手を確認してから本型を起こす。設計変更のリスクを抑えられる
- アンダーカットを避ける設計にする:抜き方向を揃えるだけで数十万円変わる
- キャビ数を必要最小限にする:将来増やせる構造にしておく手もある
- 共通部分を使い回す:入れ子(インサート)を差し替える構造にすると、類似品を安く作れる
・型の所有権は誰か(費用を払っても自動的に自社のものにはならない)
・保管期間と保管料(何年預かってもらえるか、有料か)
・修理と手直しの費用(何ショットまで無償か)
・試作(T1)の回数(何回まで見積もりに含まれるか)
契約面は 製造委託契約の注意点 にまとめています。
よくある質問
金型はいくらぐらいしますか?
小型のプラスチック射出成形用で 50万〜150万円、中型で 150万〜400万円、大型やスライド機構の入るもので 400万〜1,000万円が目安です。プレス型は工程数によって変わり、単発型 30万〜100万円、順送型は 200万〜1,000万円ほどになります。
何個作るなら金型を作ったほうが得ですか?
樹脂部品なら 1,000個前後が分岐点です。金型 100万円・成形単価 50円と、切削 1個 3,000円を比べると、1,000個で金型のほうが安くなります。数百個までなら切削や 3Dプリンタ、数千個以上なら金型、と考えると外しません。
金型代を払えば金型は自分のものになりますか?
契約次第です。費用を負担しても、所有権や保管の取り決めがないと引き取れないことがあります。将来ほかの会社で成形したくなったときに困るので、<strong>所有権・保管期間・返却条件</strong>を発注書か契約書に書いてください。
金型は何個くらい打てますか?
材質と構造によります。簡易型(アルミ・ZAS)で数千〜数万ショット、本型(プリハードン鋼)で数十万ショット、焼入れ鋼なら 100万ショット以上が目安です。寿命を短く見て安い型にするか、長く使う前提で本型にするかを先に決めます。
まとめ
- 金型代は形状よりキャビ数と機構で決まる。年間必要数を先に伝える。
- 樹脂部品は 1,000個前後が、切削と金型の分かれ目。
- まず簡易型で確認してから本型を起こすと、設計変更によるやり直しを抑えられる。
- 費用を払っても型が自社のものになるとは限らない。所有権を契約に書く。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。