板金加工の費用相場|曲げ・溶接・表面処理の内訳
曲げの回数と溶接の長さが、そのまま金額に効いてきます。
板金加工の見積もりは、切断・曲げ・溶接・表面処理の工程ごとに積み上がります。 金額を押し上げるのは板の大きさではなく、曲げの回数と溶接の長さです。
工程別の費用の目安
| 工程 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| レーザー切断 | 2,000〜8,000円/枚 | 形状が複雑でも時間はあまり変わらない |
| タレットパンチ | 1,500〜5,000円/枚 | 丸穴・角穴が多い場合はレーザーより速い |
| 曲げ(ベンダー) | 300〜1,500円/回 | 回数がそのまま費用になる |
| 溶接 | 3,000〜10,000円/箇所 | TIG は美しいが高い。スポットは安い |
| タップ・バーリング | 100〜500円/箇所 | ねじ穴の加工 |
| 塗装(粉体) | 3,000〜15,000円/枚 | 色替えがあると段取り費が乗る |
| メッキ(ユニクロ・三価) | 2,000〜10,000円/枚 | 外注に出すため納期が数日延びる |
材質と板厚
| 材質 | よく使う板厚 | 特徴 |
|---|---|---|
| SPCC(冷間圧延鋼板) | 0.8〜3.2mm | 安い。錆びるので表面処理が前提 |
| SECC(電気亜鉛めっき鋼板) | 0.8〜2.3mm | めっき済みなので後処理を省ける |
| SUS304(ステンレス) | 1.0〜3.0mm | 錆びにくいが材料費が鉄の3〜5倍。曲げにくい |
| アルミ(A5052) | 1.0〜5.0mm | 軽い。傷が付きやすく、溶接には技術が要る |
レーザーで切った1枚の板から作るカバーを考えます。
単純な箱形(曲げ4回)なら曲げ費は 2,000円程度ですが、
補強リブや折り返しを増やして12回になると 8,000円前後。
さらに曲げ順の検討や専用の金型が要る形状だと、段取り費も乗ります。
「この折り返しは本当に要るか」を設計段階で見直すと、そのまま単価が下がります。
コストを下げる工夫
- 曲げの回数を減らす:補強は曲げではなくビード(凸)や別部品で代用できることがある
- 溶接を減らす:一体で曲げて作れないか検討する。溶接後は歪み取りも必要になる
- 材料の定尺を意識する:1,219×2,438mm などの規格から無駄なく取れる寸法にする
- 板厚を統一する:同じ製品内で板厚が混在すると、材料も段取りも増える
- 表面処理をまとめる:色を1色に絞る、めっきの種類を揃える
・曲げ半径(指定がないと会社ごとの標準で曲がり、寸法がずれる)
・展開寸法か仕上がり寸法か(どちらの寸法を指しているか明記する)
・バリの許容(面取りが要るかどうか)
・溶接の仕上げ(ビードを残してよいか、平らに削るか)
ここが曖昧なまま進むと、出来上がってから作り直しになります。
よくある質問
板金加工の費用はどう決まりますか?
切断・曲げ・溶接・表面処理の工程ごとに積み上がります。特に効くのは<strong>曲げの回数</strong>と<strong>溶接の長さ</strong>です。レーザー切断は形状が複雑でも時間があまり変わりませんが、曲げは1回ごとに人が機械にセットするため、回数がそのまま費用になります。
1個だけ作るといくらぐらいですか?
A4サイズ程度のカバーで、曲げ4回・塗装なしなら 8,000〜20,000円が目安です。溶接や表面処理が入ると 2万〜5万円になります。切削加工と同じく段取り費の比重が大きいため、5〜10個まとめると1個あたりは大きく下がります。
図面がなくても作ってもらえますか?
現物か手描きのスケッチがあれば対応してくれる会社があります。ただし展開図の作成費(5千〜2万円)がかかることが多く、寸法の解釈違いも起きやすくなります。3Dデータがあると最も確実で、費用も抑えられます。
表面処理はどれを選べばよいですか?
屋内で使う鉄なら塗装かメッキ、屋外ならメッキか溶融亜鉛めっき、見た目を重視するなら粉体塗装が一般的です。ステンレスやアルミは、そのままでも錆びにくいので処理なし(生地)で使うこともあります。
まとめ
- 費用に効くのは板の大きさより曲げの回数と溶接の長さ。
- レーザー切断は形状が複雑でも金額が大きく変わらない。穴や切り欠きは遠慮しなくてよい。
- ステンレスは材料費が鉄の3〜5倍。錆びにくさが要るかで選ぶ。
- 曲げ半径と仕上がり寸法の指定漏れが、作り直しの最大の原因。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。