レーマン方式とは|4つの報酬基準額でこれだけ変わる
同じ「5%」でも、何に5%を掛けるかで報酬は数倍違います。
M&Aの成功報酬は、ほとんどの会社がレーマン方式で計算します。 料率の階層は各社で大きくは変わりませんが、 何を報酬基準額に置くかは会社によって違い、ここで金額が大きく動きます。
料率の階層
| 報酬基準額 | 報酬率 |
|---|---|
| 5億円以下 | 5% |
| 5億円超〜10億円以下 | 4% |
| 10億円超〜50億円以下 | 3% |
| 50億円超〜100億円以下 | 2% |
| 100億円超 | 1% |
※ 一般に設定されている例(出典:M&A支援機関登録制度HP)。 基準額の最小範囲を5%とする会社が多いとされますが、階層も料率も各社で異なります。
報酬基準額の4種類
| 呼び方 | 報酬基準額 | 使っている会社 |
|---|---|---|
| 株価レーマン | 株式価額 | 636社 |
| オーナー受取額レーマン | 株式価額 + 役員借入金 | 244社 |
| 移動総資産レーマン | 株式価額 + 有利子負債 + その他の負債 | 233社 |
| 企業価値レーマン | 株式価額 + ネット有利子負債 | 161社 |
※ ネット有利子負債 = 有利子負債 - 現預金等。 社数は当データベース掲載1,627社の仲介業務(譲渡側)についての届出です。
計算してみる
株価レーマン
基準額 3億円 → 3億円 × 5% = 1,500万円
オーナー受取額レーマン
基準額 3億5,000万円 → 3億5,000万円 × 5% = 1,750万円
移動総資産レーマン
基準額 5億円(+その他の負債)→ 5億円 × 5% = 2,500万円以上
基準額が5億円を超えると、超えた部分は4%になります。
この例では基準額の置き方だけで1,000万円以上の差が出ます。
階層ごとに計算する意味
誤:8億円 × 4% = 3,200万円
正:5億円 × 5% + 3億円 × 4% = 2,500万円 + 1,200万円 = 3,700万円
「8億円だから4%」と一律で掛けるのではなく、
5億円までの部分は5%、そこを超えた3億円分に4%を掛けて足します。
このため、実際の負担率は単純な料率より高くなります。
確認しておくこと
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 報酬基準額の定義 | 負債を含めるかで金額が数倍変わる |
| 階層と料率 | 5%スタートとは限らない |
| 最低手数料 | 計算結果がこれを下回っても最低額を払う |
| 譲受側の報酬体系 | 仲介では双方から受け取る |
| 算定の対象に何が入るか | 退職金や不動産の扱いで基準額が動く |
※ 掲載各社が届け出た報酬基準額は、会社詳細ページに掲載しています。
よくある質問
レーマン方式とは何ですか?
報酬基準額を階層に分け、階層ごとの料率を掛けて合算する成功報酬の計算方法です。5億円以下の部分に5%、5億円超〜10億円以下の部分に4%というように、金額が上がるほど料率が下がります。「1億円だから一律5%」ではなく、階層ごとに区切って計算します。
報酬基準額とは何のことですか?
料率を掛ける対象になる金額です。株価レーマン(株式価額)、オーナー受取額レーマン(株式価額+役員借入金)、企業価値レーマン(株式価額+ネット有利子負債)、移動総資産レーマン(株式価額+有利子負債+その他の負債)の4つがよく使われます。同じ会社でも、どれを採るかで基準額が変わります。
どの方式がいちばん安く済みますか?
負債の少ない会社なら差は小さく、借入や役員借入金が多い会社ほど株価レーマン以外は高くなります。負債を引き継ぐのは譲受側なので、「負債の分まで報酬基準額に入れるのはおかしい」という考え方と、「負債を含めた事業全体を動かした対価だ」という考え方があり、どちらが正しいというものではありません。契約前に方式を確認してください。
成功報酬以外にも費用はかかりますか?
かかることが多いです。着手金、月額報酬、基本合意時の中間金などが別に設定されている場合があります。登録支援機関の届出では、仲介業務(譲渡側)で成功報酬以外の手数料が「有」の会社が859社ありました。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。