AWSのサーバー構築の費用・相場
構築費と月額のインフラ費は別物です。3年分の総額で比べてください。
AWS の費用は「構築の作業費」と「毎月のクラウド利用料」の2つに分かれます。 見積もりを比べるときは、この2つを分けて考えないと判断を誤ります。
構築の作業費
| 構成 | 作業費の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 最小構成 | 30万〜80万円 | EC2 1台 + RDS。SSL、バックアップ、基本的な監視まで |
| 標準構成 | 80万〜250万円 | ロードバランサー、複数AZ、オートスケール、監視・通知の整備 |
| コンテナ構成 | 150万〜400万円 | ECS / EKS、CI/CD パイプライン、環境の分離(本番・検証) |
| 高可用・高セキュリティ | 250万〜800万円 | マルチAZ/リージョン、WAF、監査ログ、権限設計、災害対策 |
※ 税別。アプリケーションの開発費は含みません。
月々のクラウド利用料
| 規模 | 月額の目安 | 構成の例 |
|---|---|---|
| 社内小規模 | 1万〜3万円 | t系インスタンス1台 + 小さめのRDS。営業時間のみ稼働も可 |
| 業務システム | 3万〜15万円 | アプリ2台 + RDS(マルチAZ) + ロードバランサー + S3 |
| 常時稼働・冗長化 | 15万〜50万円 | 上記 + キャッシュ + CDN + 監視基盤 + バックアップ保管 |
| 大規模 | 50万円〜 | コンテナ基盤、データ量が多い、リージョン冗長 |
構築費が安くても、月額が高い構成では総額で逆転します。 たとえば構築費 50万円・月8万円の構成は3年で 338万円、 構築費 150万円・月4万円の構成は3年で 294万円です。 見積もりを取るときは、想定する月額も一緒に出してもらってください。
費用が膨らむ典型パターン
| 原因 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| データ転送量(外向き) | 画像や動画の配信で急増 | CloudFront を挟む。画像を最適化する |
| バックアップの蓄積 | スナップショットが消されず積み上がる | 保持世代のルールを決めて自動削除 |
| 検証環境の消し忘れ | 使っていないリソースが課金され続ける | タグ付けと定期棚卸し。夜間停止の自動化 |
| ログの保存 | CloudWatch Logs が想定外に増える | 保持期間を設定。S3 へ移して保管 |
| 過剰なスペック | 「念のため」で大きく取っている | 稼働後1か月の実測で見直す |
コストを下げる打ち手
- Savings Plans / リザーブドインスタンス:1〜3年の利用を約束すると 20〜60% 下がります。稼働が読めてきた段階で検討します。
- 夜間・休日の停止:社内システムなら、使わない時間に止めるだけで数割下がります。
- ストレージ階層の見直し:古いデータは S3 の低頻度アクセス階層へ移します。
- マネージドサービスの活用:自前で立てて運用するより、結果的に人件費まで含めた総額が下がることがあります。
- 実測してから右サイズ化:稼働1か月後の見直しは必ず予定に入れてください。
開発会社のアカウント配下に置かれると、契約を切り替えるときに移行作業(数十万円規模)が発生します。 請求も内訳が見えなくなりがちです。 AWS アカウントは自社で開設し、開発会社には権限を渡す形にしてください。 これは 保守を移管するときにも効いてきます。
見積もりで確認すること
- 想定する月額と、その前提(アクセス数・データ量)
- 冗長化の有無。1台構成なら、その台が落ちたときにどうなるか
- バックアップの取得頻度・保持期間・復旧手順
- 監視の内容(何を検知し、誰に通知するか)
- IaC(Terraform 等)で構成が管理されるか。手作業だと引き継げません
- アカウントの名義と、権限の設計
運用にかかる費用は システムの保守・運用費用の相場 にまとめています。
よくある質問
AWS でサーバーを構築するといくらかかりますか?
構築の作業費は、小規模な構成(サーバー1台+DB)で 30万〜80万円、冗長化した標準構成で 80万〜250万円、可用性やセキュリティ要件が高い構成で 250万〜800万円が目安です。これとは別に、毎月のクラウド利用料がかかります。
月々のインフラ費用はどれくらいですか?
社内向けの小さなシステムで月 1万〜3万円、一般的な業務システムで月 3万〜15万円、冗長化して常時稼働させる構成で月 15万〜50万円が目安です。アクセス量とデータ量に比例して増えます。
レンタルサーバーではだめですか?
要件次第です。単純な Web サイトや小規模な業務システムなら、レンタルサーバー(月数千円)で十分なことも多くあります。AWS が向くのは、負荷の変動が大きい、構成を細かく制御したい、他の AWS サービスと組み合わせたい場合です。
費用が急に増えることはありますか?
あります。典型は「データ転送量」と「バックアップの保存量」です。また、検証用に立てたリソースの消し忘れも定番です。予算アラート(Budgets)を必ず設定し、月次で内訳を確認してください。
まとめ
- 構築費(30万〜800万円)と月額(1万〜50万円超)は別物。3年分の総額で比べる。
- 費用が膨らむのは転送量・バックアップ・消し忘れ。予算アラートを必ず設定する。
- 稼働1か月後に実測で右サイズ化する前提で設計する。
- AWS アカウントは自社名義で開設する。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。