アパレルOEMの費用|最低ロットと生産リードタイム
「100枚から作れますか」の答えは、生地を持っているかどうかで変わります。
アパレルのOEMは、見積もりが「1枚いくら」で返ってきます。 その1枚の中身を、生地代・副資材・縫製工賃・型代に分けて 見られるようにしておくと、どこを削れるかが見えます。
費用の内訳
| 項目 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 生地代 | 原価の40〜60% | 1着あたりの使用量 × 単価 |
| 副資材 | 原価の5〜15% | ボタン、ファスナー、芯地、下げ札、洗濯表示 |
| 縫製工賃 | 原価の20〜40% | 工程数で決まる。国内と海外で差が大きい |
| パターン・サンプル | 2万〜10万円/型 | 初回のみ。量産数で割ると効いてくる |
| 加工(プリント・刺繍・洗い) | 100〜800円/枚 | 加工の種類と色数で変わる |
| 物流・関税(海外生産) | 原価の5〜15% | 衣類は関税率が高め |
※ 生地代の比率が高いのがアパレルの特徴です。 原価を下げたいときは、まず生地の選定から見直すほうが効きます。
国内生産と海外生産
| 国内生産 | 海外生産 | |
|---|---|---|
| 最低ロット | 30〜100枚 | 300〜500枚 |
| 縫製工賃 | 高い | 安い(中国 → 東南アジアの順に安くなる) |
| リードタイム | 1〜2か月 | 3〜5か月(船便込み) |
| 追加生産 | 比較的早い | 再度ロットを揃える必要がある |
| 品質の詰め | 工場と直接やり取りできる | 現地の検品体制に依存する |
| 向いている場面 | 小ロット、短納期、高単価 | 数がまとまる定番品 |
海外生産は工賃が安い代わりに、初期費用と物流費が固定でかかります。
数が少ないうちは、1枚あたりで割ると国内より高くつくことがあります。
ざっくりした目安として、300枚を超えたあたりから海外の優位が出ます。
それ以下なら国内、または海外の在庫生地を使った小ロット対応を探すほうが
総額は下がります。
スケジュールの組み方
| 工程 | 期間の目安 |
|---|---|
| 仕様の確定・生地選定 | 2〜4週 |
| パターン作成・1stサンプル | 2〜3週 |
| 修正サンプル(1〜2回) | 2〜4週 |
| 生地の手配・染色 | 3〜6週 |
| 量産縫製 | 3〜6週 |
| 検品・輸送(海外の場合) | 3〜5週 |
※ 合わせると国内で3〜4か月、海外で5〜7か月。 シーズン物は「売る時期の半年前に動き出す」のが実務上の下限です。
依頼先に伝えること
| 項目 | 伝えないとどうなるか |
|---|---|
| 希望の上代と目標原価 | 提案の方向が定まらず、往復が増える |
| 数量(1型1色あたり) | 見積もりが出ない。単価は数量で決まる |
| 納期(店頭に並べたい日) | 間に合わない生産地を提案される |
| サイズ展開と色数 | 展開が増えるほど1型あたりのロットが分散する |
| 品質の要求水準 | 検品基準が曖昧だと納品後に揉める |
| 表示・法令対応の担当 | 洗濯表示、家庭用品品質表示法の対応もれ |
よくある質問
最低ロットはどのくらいですか?
国内生産で<strong>1型1色あたり30〜100枚</strong>、海外生産で<strong>300〜500枚</strong>が目安です。ただしこれは縫製工場の受注ロットの話で、生地の最低反数(1反50〜60m)に届かないと<strong>生地の段階でロットが決まってしまいます</strong>。商社が持っている在庫生地を使えば小ロットでも通せることがあるため、「生地を持っていますか」と聞いてください。
OEMとODMの違いは何ですか?
<strong>OEMは、こちらのデザイン・仕様で作ってもらう</strong>形です。デザイン画や仕様書を出すのは発注側になります。<strong>ODMは、相手が持っている企画・型をベースに作る</strong>形で、デザインから任せられるぶん立ち上がりが早く、最低ロットも下がりやすくなります。その代わり、同じ型が他社にも流れる可能性があります。独占にしたい場合は契約で押さえてください。
原価率はどのくらいが目安ですか?
アパレルでは<strong>上代の20〜30%(4掛け〜5掛けの逆算)</strong>に原価を収めるのが一般的な設計です。上代1万円なら原価2,000〜3,000円。卸売もするなら、卸値(上代の50〜60%)からさらに自社の粗利を引いた金額が原価の上限になります。販路を決めてから原価の枠を決めないと、作ったあとで売り方が縛られます。
サンプル代はいくらかかりますか?
<strong>1型あたり2万〜10万円</strong>が目安です。パターン(型紙)の作成費が中心で、既存の型を流用できれば下がり、ゼロから起こすと上がります。量産を発注した場合にサンプル代を相殺してくれる会社もあります。サンプルは<strong>1回で決まりません</strong>。修正を2〜3回見込んだ日程と予算を組んでください。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。