業界に精通した制作会社を選ぶべき理由
業界によっては、書いてよい表現が法律で決まっています。知らない会社に頼むと作り直しになります。
業種によっては、ホームページに書いてよい表現が法律や業界ルールで決まっています。 これを知らない制作会社に頼むと、公開後に作り直しになります。
デザインの好みや費用の話の前に、 「この業界の決まりごとを分かっているか」を確認しておく必要がある業種があります。
規制がある主な業界
| 業界 | 関係する規制 | とくに問題になりやすい表現 |
|---|---|---|
| 医療・歯科・クリニック | 医療広告ガイドライン、医療法 | 「絶対治る」等の断定、ビフォーアフター写真、体験談、他院との比較 |
| 不動産 | 宅建業法、不動産の表示に関する公正競争規約 | 「駅から徒歩◯分」の算出、「完全」「最高」等、おとり広告、取引態様の明示 |
| 士業(弁護士・税理士等) | 各会の広告規程 | 成功率の表示、他事務所との比較、誇大な実績表現 |
| 金融・保険 | 金商法、保険業法 | 利回りの表示、リスク表記の欠落、断定的判断の提供 |
| 化粧品・健康食品 | 薬機法、景表法 | 効能効果の表現、体験談、「アンチエイジング」等の用語 |
| 人材・求人 | 職業安定法 | 労働条件の明示、性別・年齢の限定表現 |
医療と不動産は、とくに細かく決まっています。 医療広告ガイドラインでは、患者の体験談やビフォーアフター写真の掲載が原則禁止されています。 不動産では「徒歩◯分」を 80m=1分で算出する決まりがあり、実測とずれると不当表示になります。
知らない会社に頼むと起きること
| 段階 | 起きること | 負担 |
|---|---|---|
| 公開前 | チェックが入らないまま進む | — |
| 公開後 | 同業者や患者・顧客から指摘が入る | 信用の低下 |
| 指摘後 | 該当箇所の削除・書き直し | 修正費用が自社負担になることが多い |
| 悪い場合 | 行政指導、業界団体からの是正要請 | 対応の手間と時間 |
費用面で痛いのは、修正費が追加請求されることです。 制作会社の契約は「発注者の指示どおりに作る」前提になっていることが多く、 規制に触れる表現を書いたのが制作会社側でも、修正は別料金になりがちです。
そして最終的な責任は、掲載している事業者にあります。 「制作会社が知らなかった」は理由になりません。
詳しいかどうかを見分ける質問
| 質問 | 期待する答え |
|---|---|
| 同じ業界の制作実績はありますか | 複数件を具体名または業態で示せる |
| この業界で気をつけている表現はありますか | 規制名と具体例が出てくる |
| 原稿のチェックはどなたがしますか | 社内の担当者名、または外部の専門家 |
| 公開後に指摘が入ったらどう対応しますか | 修正の範囲と費用負担が明確 |
2つ目の質問がいちばん分かります。 実際に経験があれば「医療広告ガイドラインで体験談が使えないので、代わりにこうしています」 といった具体的な話が出てきます。 「法律は御社で確認をお願いします」しか返ってこない場合、その領域の経験はないと考えてください。
詳しい会社が見つからないとき
地域や業種によっては、業界に詳しい制作会社が見つからないこともあります。 その場合は、次のいずれかで補ってください。
- 原稿を自社で用意する:表現の責任を自社に寄せ、制作会社にはデザインと実装を任せる
- 業界団体のチェックを通す:公開前に確認を依頼できる制度がある業界もあります
- 顧問の専門家に見てもらう:顧問弁護士・顧問薬剤師などに公開前の原稿を確認してもらう
- 契約に確認義務を書く:どちらが規制を確認するかを契約書に明記しておく
最低限、契約時に「規制の確認はどちらの担当か」を決めておいてください。 ここが曖昧なまま進むと、問題が起きたときの修正費用でもめます。
よくある質問
業界の規制を知らない会社に頼むと何が起きますか?
公開後に表現の修正が必要になります。医療広告なら行政指導の対象になることもあり、不動産では不当表示として問題になります。修正費用が自社負担になるケースが多く、結果的に高くつきます。
実績があれば規制に詳しいと言えますか?
同じ業界の実績が複数あれば、ある程度は期待できます。ただし1件だけの場合、その案件で顧客側がチェックしていた可能性があります。「どういう表現に気をつけましたか」と聞けば、実際に理解しているか分かります。
規制のチェックは誰の責任ですか?
最終的な責任は掲載する事業者(発注側)にあります。制作会社が知らずに書いたとしても、行政指導を受けるのは事業者です。だからこそ、分かっている会社を選ぶ意味があります。
業界に詳しい会社は費用が高いですか?
同等か、やや高い程度です。ただし手戻りが少ないぶん、総額では安くなることが多くなります。知らない会社に頼んで作り直しになると、初回の制作費が丸ごと無駄になります。
掲載している金額は、一般的な発注で見かける水準をもとにした目安です。 実際の費用は要件・地域・体制によって変わります。必ず複数社から見積もりを取り、 「何が含まれていて、何が含まれていないか」を比べたうえでご判断ください。